thewarpedradio

Void Zero Mess

For People Who I'll Never Forget (2013)
あまり情報が入ってこないロシア出身の彼らの待望の1st。プロデュースをex-RufiodのScottが行っているということもあるが完全にそのDNAを受け継いだ作品となっている。良い意味で大人になりきれていない、どこか弱さを抱えた線の細いボーカルの声質に対して哀愁というよりも切なさや儚さを抱えたメロディの乗せ方、そしてそれに対してのリフの当て方など、どこを取ってもその影響を色濃く感じさせる。特に第2のメロディと言ってもいいくらいにどの曲にも散りばめられている単音リフは、ある意味Rufioそのものと言ってもいいくらいである。しかしそれだけではなくHardcoreの力強さやScreamingを存分に取り入れた攻撃性を変幻自在に織り交ぜながらも作品として間にInterludeを挟み込んでいるなど、作品としての緩急をつけた完成度が高い作品である。また1つの楽曲の中でも別の曲に変わったかと思うほどに様々な展開や緩急をつけているのも彼らの特徴であろう。ただしその反面その緩急が中途半端というか全速力で駆け抜けた方がより良いような部分もあり、まだまだ若さを感じる部分はあるが、それを上回るほどの可能性を感じさせてくれる作品である。全13曲。
☆☆☆☆ No Regrets / Overcome And Prevail / We Are One / Patience
Too Late / Measure For Measure / For People Who I'll Never Forget
Melodic Hardcore Rufio "Anybody Out There"
Haze (2015)
世界的にはまだまだメロディック不毛の国とも言えるロシアの中で地道に活動を続ける彼らではあるが、今作ではこれまでのテクニカルなリフを中心に楽曲を組み立てている路線は引き継いでいる部分もあるものの、明らかにそれだけではない新たな要素が大部分を占めて構築されている。1曲目は今までのメロディックな要素を部分部分では残ってはいるもののほぼ完全に排除しHardcoreサウンドが前面に出ており、この始まりだけでも今までとは異なることを印象付けられる。しかし2曲目は従来のテクニカルかつメロディックという彼らの本領発揮ともとれるような楽曲ではあるが、やはり軽やかさよりは重さを随所に感じられるアレンジとなっている。後半2曲は冒頭の間を行くかの様な重さと軽やかさが目まぐるしく変わる緩急に富んだ楽曲であり、その中でもラストを飾る4曲目はその極みであると言えよう。明らかにバンドが変化している最中での今作品が、次作に対してどのような布石となる作品となるのか楽しみである。全4曲。
☆☆☆★ Alive / Lost / Exist
Melodic Harcore Reach The Sky "So Far From Home"