thewarpedradio

Good Riddance

Remain In Memory -The Final Show- (2008)
惜しくも2007年に解散した彼らのラストライブをほぼノーカットで収録した、彼らの最初で最後のライブアルバム。今回はFATから出ているにも関わらずLive In A Diveシリーズではないが、音の良さは相変わらずである。MCも収録されているためその場の雰囲気を大いに感じることができ、またセットリストも比較的満遍なくどのアルバムからも選曲されており、そういった意味ではほぼベスト的な作品である。そしてライブでも大きく乱れることのない安定した演奏も、そしてアルバム収録時よりも良い意味で荒々しく、テンポも速い楽曲は、最初から最後まで全速力で駆け抜けた彼らの活動をそのまま凝縮していると言ってもいいだろう。この作品は彼らの入門編としても、そして彼らの在りし日の姿を思い起こさせるという点においても非常に良い作品である。どの作品の曲をやっても違和感は全くなく、常に首尾一貫していたことが改めて実感できる作品であり、特にOut Of Mind~Saltへの流れも完璧である。しかしこのライブで演奏されていない名曲は他にも多くあるため、ぜひ全ての作品を聞いてもらいたい。全31曲。
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Melodic Hardcore Sick Of It All "Live In A Dive"
Thoughts And Prayers (2019)
2007年に解散をした彼らの復活後2作目となる9th。前作ではブランクを感じさせないエネルギッシュさに満ちた快作であったが、本作では年齢やキャリアを重ねたことにもよるのだろうが、これまでのようなアグレッシブさは残っているものの全体的には荒々しさは大人しめであり、きれいにまとまった作品に仕上がっている。しかしその分勢い任せではなく、これまで以上にメロディを前面に押し出すための緩急であったり、ふとした瞬間に入り込むリフやベースラインが心地よく、また近年のテクニカル要素はほぼなく、ミュートやオクターブなどを駆使した90sから続く王道の手法でアレンジされているものの、唯一無二の立ち位置は健在である。メロディもこれまでのようなHardcoreをベースにした力強さは残っているもののよりキャッチーさやカリフォルニア特有のカラッとした空気感を帯びた爽快さにあふれており、速さや荒々しさの面では若干物足りなさは残るものの、Russの伸びやかなボーカルが堪能できる作品である。全12曲。
☆☆☆★★★ Rapture / Our Great Divide / Wish You Well / Precariat
Who We Are / Lo Que Sucede
Melodic Hardcore Rise Against "Endgame"