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Marvelous Darlings

I Don't Wanna Go To The Party (2007)
現代のPower Pop職人、によるMarvelous Darlingsの1st EP。これが1stとは思えない位に、メロディが素晴らしい。聞きやすいというのは当然それ以上に非常にダンサブルな印象を受ける。開始5秒で名盤と分かる位に完璧に計算されたメロディ、アレンジ。1曲目はイントロのリフだけで本当に心が躍らされるほどの名曲。2曲目はハンドクラップを非常に効果的に使っており、Power Popファンだけではなく2000年代のRockが好きな人にも十分アピール出来る曲であろう。しかもPower Popのジャンルにおそらく括られるであろうが、1stシングルと言う事もあり、いい意味で非常に粗く初期衝動に満ちている作品と言えるだろう。Power Pop的な華やかさ、パーティー感を兼ね備えながらもPunkの持つ力強さが見事に融合されている作品。ボーカルはハイトーンであり若干の癖はあるが、それに負けないくらいのギターの音がザクザクとした音がメロディをより良いものに押し上げている。ぜひとも7inchで聞いてもらいたい作品である。全2曲。
☆☆☆☆☆★ I Don't Wanna Go To The Party / Careerist
Power Pop ------------------------------

The Swords, The Streets (2004)
歴代の彼らのEPの中でも一番パンキッシュな楽曲が収められた2nd EP。前作同様熱く歌い上げているが、メロディは何処となくクールな印象を受ける。またドラムの手数もA面は多く、それがメロディと相まって独特の浮遊感をも感じさせる。B面は彼らにしては珍しくシンプルに怒涛の勢いで畳みかけてくるのが非常に印象的である。今作も前作同様疾走感にあふれた、印象的なリフが心を打つ楽曲であるが、特筆すべきはパンクではなく、パンキッシュな2曲であるところであると個人的には思う。もちろんリフや展開、メロディに込められた熱量は何処から捉えてもパンクである。しかしメロディに起因する事かも知れないが、全体的には非常にポップであり、そのバランス性は70's Punkに相通じる部分が多々あると思う。あの時代の楽曲の多くは今以上の熱量、メッセージが込められていたが、その一方で非常にポップで聞きやすいものが多かった。聞き手に届かなければ意味がないと言わんばかりに。彼らにもそういった様な印象を受ける。ジャンルに関係なく彼らには普遍性を感じる事が出来、それが垣間見えるのが今作ではないだろうか。全2曲。
☆☆☆☆ The Swords, The Street / Galloway
Power Pop ------------------------------

Live At Gales (2010)
期待されていたフルアルバムのリリースがレーベルとのもめ事により、なくなってしまった彼らの初のLive Album。原曲よりもBPMは高めであり、またライブの荒々しい質感はそのままであるために、本当に自分が会場にいると感じてしまうような臨場感を持った作品である。もちろん綺麗に音質を整えられたライブ音源も良い面はあるが、この作品はそれをあえてかどうかは分からないが、いじってないが故に楽曲が持つポップさだけでなくエネルギーも存分に聞いている側に伝わる作品である。アレンジは基本的にはスタジオ音源と同じであるために、この点が今作の最大の特徴であると言えるのではないだろうか。選曲は比較的偏りなくなっているが、曲数に関しては正直物足りない。もちろんライブ自体はこれくらいのサイズではあるのは十分理解しているが、もう少しこのざらついた彼らの音を他の曲でも楽しみたいと思ってしまう。全9曲。
☆☆☆☆★ ------------------------------
Power Pop ------------------------------