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Lagwagon

Duh (1992)
彼らの記念すべき1st Album。発売当初はNOFXのパクリと言われたとか言われてないとか…。現在から考えると全体的にかなり荒らしくアレンジも直線的な勢いもあり、どちらかというとHardcore的な香りも漂っているが、聞き込めばやはりLagwagonだなと納得の出来る作品。Joeyの哀愁漂う声はこのころから変わっておらず特にそれが発揮されているのが大名曲 "Angry Days"であろう。決して速い曲ではないけれども、聞いてるだけでグッとくるこの哀愁漂うメロディは、このころから健在であると言える。この曲のためだけにでも買う価値はあると個人的には思う。もちろん他にも未だにライブでやる名曲"Mr.Coffee"なども完成度もかなり高い。全14曲。
☆☆☆★★ Tragic Vision / Angry Days / Bad Moon Rising
Mr. Coffee / Lagwagon
Melodic Punk Raised By Apes "Destination Nowhere"

Trashed (1994)
彼らの作品の中で一番Hardcoreの香りがを全面に出している感のある2nd Album。しかしそれでも前作より彼ららしい哀愁漂うメロディの曲も増えており、この後大化けする布石となった作品と言えるだろう。前作以上に疾走感に溢れており、彼らのルーツに自分たちらしさを素直にブレンドしたらこうなるのだろうと思わざるを得ない。アレンジは前作のシンプルなものから少しメタリックなギターソロも追加されており、聞いていて楽しい。またベースは一番今作が聴き応えがあるだろう。全13曲(+HIdden Track "Mama Said Knock You Out")。
☆☆☆★ Island Of Shame / Know It All / Give It Back / Goin' South / Brown Eyed Girl / Buy For Now
Melodic Punk Pulley "Esteem Driven Engine"

Hoss (1995)
ださ過ぎるジャケットからは全く想像出来ない位の大名盤となっている彼らの3rd Album。個人的に一番最初にLagwagonを聞いたのがこの作品だという事もあるが、自信を持って万人に薦められる作品。前作までのHardcore的な香りがなりを潜め、収録曲は超高速の曲が並んでいる訳ではなくどちらかというとミドルテンポの曲が多いけれども、Lagwagon節が存分に発揮されている。キャッチーでありながらも哀愁漂っているメロディはJoeyの声と混ざり合うと最高である。また演奏も前作に比べて勢いに任せる部分が減り、良い意味でシンプルでまとまっているためメロディを最大限に生かす形となっている。よってこの作品には名曲がかなり多いが、その中でも"Violins"、"Bombs Away"は特に良い出来となっており、これらをまずは聞いてみて欲しい。またそれ以外にも現在ライブでもこの作品から多数選曲されている。全14曲。
☆☆☆☆☆ Kids Don't Like To Share / Viosins / Bombs Away / Sleep / Rifle
Weak / Bro Dependent / Razor Burn / Shaving Your Head
Melodic Punk No Use For A Name "More Betterness"

Double Plaidinum (1997)
大名盤としてあげられるだろう3rdと5thの間にリリースされた今作は隠れた名盤という感じであろうか。3rd Albumがメロディを重視した作品、5th Albumがそれと共に疾走感を重視した作品とすれば本作品はちょうどその過渡期にある作品であり、2つが良い意味で混ざり合っている。多少Emotional的な香りも混ぜつつ、高速の曲がある一方で少し落ち着いたスロウな曲もあり彼らの魅力を存分に楽しめる一枚。特徴ありすぎるJoeyの声も彼らの魅力の一つであり、完全にMetalやHardcoreの要素がなくなっているためすごく聞きやすい。こののち良く見られるようになる彼らお得意の曲間でのいきなりのテンポチェンジはこの作品から頻繁に使われるようになっている。決して単調ではないが、その一方で派手さもないけれども個人的にはこの作品もすごく好きである。全12曲。
☆☆☆☆ Alien 8 / Making Friends / Unfurnished / One Thins To Live
Confession / Smile / Twenty-Seven
Melodic Punk Ten Foot Pole "Bad Mother Trucker"

Let"s Talk About Feelings (1998)
Lagwagonはどのアルバムが好きかと聞かれた時に人によってかなり意見が割れると思うが、その中でも多くの人があげるだろう5thAlbum。どんな作品かと聞かれればもう完全にMelodic Punkの教科書と答えるしかない位の大名盤である。前作で見せた方向性の変化の結果をきっちり見せてくれた。今まで以上にメロディとコーラスがしっかりとしている上に、超高速の曲のオンパレードと来ればこれを聴かない手はないでしょう!これを聴かずに90年代を語る事は出来ない位に、この時代、そしてMelodic Punkを代表するアルバムの中の1枚である。完全に捨て曲がなく25分弱があっという間に流れてしまう。曲間でテンポが切り替わってスロウになりまた一気に加速するアレンジが今回は最大限に生きており、まさしくヨダレものの1枚。ジャケットのキモさも相変わらず楽しませてくれる。全14曲。
☆☆☆☆☆ After You My Friend / Gun In Your Hand / Leave The Light On
Change Despair / Train / Hurry Up And Wait / Love Story
Messengers / The Kids Are All Wrong / May 16
Melodic Punk For No One "Falling Down"

Let's Talk About Leftovers (2000)
2000年発売のレアトラック集。今までのコンピ提供曲や7インチ収録の楽曲を中心に未発表曲も含んでいる。本作品の特徴は年代ごとに楽曲がきちんと分けられている事と、アルバムのリリースを追って遡っていく形のトラックリストになっている事だろう。よってLagwagonの歴史を振り返るには最適な1枚であろう。しかしLagwagon初心者には余りオススメは出来ない。特に最後に収録されている初期のデモ音源は今のLagwagonを期待していると、正直つらいかもしれない。3rd以降の楽曲には名曲が多いが。全25曲。
☆☆☆ A Feeling Of Truckstop Poetry / Narrow Straits / Losing Everyone
Randal Gets Drunk / Raise A Family / Drive By
Melodic Punk ------------------------------

Blaze (2003)
オリジナルアルバムとしては実に5年振りに発売された6th Album。相変わらずの何とも言えないジャケットであるが、個人的には3rd Albumから前作までの一連の作品がドツボな訳で、今作は誤解を恐れずに言うと消化不良である。Joeyの哀愁漂う声などは全く変わっていないが、前作までのような疾走感が薄れており、少しエモ的な要素が増した感がある。それを枚数や年齢を重ねた結果であるというのは酷かもしれないが、アレンジにおいても最初アルペジオなどでゆったりと入り、途中でテンポチェンジし一気に加速するといった彼らお得意のパターンの曲が今作ではかなり多くあり、それが単調さを誘う要因となっていることは否めないだろう。疾走感があるうちはテンポの切り替えが心地よいが、ミドルテンポになるとどうも聞いていて飽きてしまう。けどすぐにシンガロング出来る程のメロディの良さは相変わらずである。全14曲。
☆☆☆★★ Burn / E Dagger / I Must Be / Dinner And A Movie
Melodic Punk Side Issue "Seventeen"

Live In A Dive (2005)
出ると噂されてからが長かった。ついに出たシリーズ7作目、LagwagonのLive In A Dive!このシリーズはどれを聞いても演奏のうまさに感動するが、これもその例外に漏れずやぱりすばらしい演奏力である。CDを聞いている時と同じような安定感があり、なおかつライブならではの臨場感や疾走感、そしてテンションの高さ!どの曲もCDよりテンポも良く、すばらしいです。特に2曲目の最初Joeyが"Violins!!!"と叫ぶところだけでも昇天してしまうだろう。MCもある程度収録しているために、彼らのライブの片鱗を今作から感じることができるだろう。しかし録音が二日間にわたっているためあまり全体的な統一感がなく、おそらくライブではやっているのだろうけど収録されていない"Angry Days"などの名曲が数々あり収録曲にかなりの不満は残ってしまうのが残念。ちなみに新曲"Mister Bap"も収録。全22曲。
☆☆☆★★ ------------------------------
Melodic Punk ------------------------------

Resolve (2005)
彼らにしては短いスパンで発売された7th Album。今作はオリジナルドラマーであり、Bad AstronautのメンバーでもあったDerrikが2005年に自殺したことを受けて彼に捧げるという形で作られたAlbumである。それを反映してかは分からないが全体的に彼ら独自の哀愁感や憂いを全体的に秘めている作品となっている。更には昔のような疾走感がありつつメロディが前作での憂いを帯びたものとなっており、発売まではあまり期待してなかったがかなりの名作!NUFANとは少し異なった男臭さすら感じられるような哀愁漂うメロディが最大限に生かされており、個人的にはLagwagon復活!と叫びたくなる作品である。ただし個人的な好みかもしれないが楽曲に少し優劣があることはマイナスポイントであろう。しかしそれを補って余りある曲が収録されていることも事実。特に12曲目の”Days Of New”は彼らの代表曲に新たに加えられたといっても過言ではないだろう。全12曲。
☆☆☆☆ Heartbreak Music / Resolve / Virus / Run In The Family
The Contortionist / Sad Astronaut / Rager / Creepy / Days Of New
Melodic Punk Inspection 12 "In Recovery"

I Think My Older Brother Used To Listen To Lagwagon (2008)
相変わらずなスパンで発売された久々の新作はEPという形でのリリースとなったが、個人的には今作は評価にものすごく悩む作品である。もちろん3rdから築いてきた彼ら独自のメロディラインやアレンジなどに隠された湿った空気感や健在であり、前作よりも彼らの自然体での哀愁感やメロディとなってはいる。しかしその反面どこか抜けきれない印象を受けてしまう。それは楽曲の中に彼らは力を入れていないように見せかけつつも内面に秘かな形で訴えてくるものが詰まっており、聞いているだけで心を揺さぶられ、思わず拳を握ってしまう曲が多かったが今作ではそれが個人的にはほとんど感じられないからであろう。作品自体は悪いものではなく、むしろメロディは楽曲毎にバラつきのあった前作よりは高次元で上手くまとまっていることは確かであろう。しかしこのように感じる所以は、3rd~5thまでの彼らとは全くと言っていいほどの変わりようであり、Joeyの作る世界観に根本での変化はないだろうが年数による成長と衰えが表れているのではないかとも若干感じてしまう。次作でこの思いが払拭されると信じたい。全7曲。
☆☆☆★★ B Side / Meroirs And Landmines
Fallen / Mission Unaccomplished
Melodic Punk Skumdum "Skum Of The Land"

Hang (2014)
前作から約9年と未だかつてない期間を経て待望の新作となった8th。この間に各メンバーは様々なプロジェクトで活動しており、その中でもJoeyはソロ作やScorpiosなどで新作は発売していたため、彼の声自体に触れる機会は数多くあったが、やはりLagwagonとなると別格であり、単にJoeyが歌えば良いということだけではないことを強く再認識させてくれる1枚である。穏やかな1曲目から2曲目にかけて一気に加速するこの流れこそまさにLagwagonと言いたくなるほどであり、これを長い間待っていたんだと思わず叫びたくなるほどにツボを押さえた展開である。もはやこの時点で文句のつけようのない作品である。しかしそういった単なる過去の焼きまわしだけではなく、リリース前に物議を醸した彼らなりのHard Rockを消化した楽曲も割と多く収録されている。しかしそれすらもアルバム全体で言えば彼ららしさ全開である。この新機軸とも言えるかもしれない曲が多めであるようにも感じられなくもないが元々同じ所に留まりはしないバンドであり、前作のEPの流れを踏まえながらも初期の要素を上手くブレンドした現在進行形のバンドの姿を思う存分詰め込んだ名盤である。全12曲。
☆☆☆☆★ Reign / Made Of Broken Parts / The Cog In The Machine
Obsolate Absolute / Burning Out In Style / One More Song
You Know Me / In Your Wake
Melodic Punk Hey Mister! "Rocket Summer"
Railer (2019)
前作からの間にJoeyのソロ作などはあったものの、バンドとしては再び間が空き5年振りとなる9th。バンドの初期の衝動を意図的に蘇らせるために短期間で制作された本作はその狙いが完全に成功した名作と言えるだろう。ドリルのように刻みつつも疾走感に溢れた6曲目や疾走感の中にも野暮ったいメタル的な要素が入りつつもストップ&ゴーやリズムチェンジの繰り返し方が完全に初期を彷彿とさせる8曲目、タイトルを何度も繰り返しているだけのはずなのにJoeyの枯れ気味で哀愁を誘うメロディによって奥行きが生まれた10曲目など、それぞれのパートがバランス良く主張しすぎない程度に主張しており、初期を彷彿とさせるような80sメタルを感じさせるある種の洗練されていないダサさがサウンドだけではなくジャケットからも滲み出ており、これまで作品ごとに方向性は少し異なっていた彼らであるが、その全てを包括したかのような作品である。そして何よりも過去の彼らの代表作と比較しても遜色ないほどにメロディの完成度が高いこともポイントであろう。全12曲。
☆☆☆☆ Stealing Light / Jini / Parable / Dangerous Animal
Bubble / Dark Matter / Pray For Them / Auf Wiedersehen 
Melodic Punk Broken Cedars "Forever"