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Babymetal

Babymetal (2014)
アイドルとメタルの融合を掲げた彼女たちの1stにしてこれまでのシングルをすべて含んだベスト的アルバム。アイドルというだけで正直最初は色眼鏡で見ていた部分がなくはないが、アイドルがメタルをやりましたという感じではなく、メタルを歌っているのがたまたまアイドルでした、という方がしっくりくるような完成度を誇っており、充分メタルアルバムとして楽しめる。メタルの一つの側面として存在する様式美的な部分もきちんと表現されている。またアルバム全般に渡って終始メタルにこだわっている訳ではなく、ある意味流行りと言ってもいいかもしれないが、EDMの要素を全面に出したりなど根底にメタルはありつつもアイドル的な可愛らしさを持つ部分や楽曲自体の振れ幅などバラエティに富んだ作品になっている。そしてそれぞれの要素が全方位的に振り切られておりメタル要素が強い楽曲だけでなく、アイドル的な可愛らしさを持つ6曲目や8曲目なども全ての完成度が高い作品である。全13曲。
☆☆☆☆★★ BABYMETAL DEATH / メギツネ / ギミチョコ!! / 紅月-アカツキ-
4の歌 / 悪夢の輪舞曲 / ヘドバンギャー!! / イジメ、ダメ、ゼッタイ
Pop ------------------------------
Metal Resistance (2016)
待望の1stをリリースしてから早2年、その間にも海外でのライブを重ねてた経験を通して新たな世界へと突き進んでいる彼女らの2nd。ベクトルこそは1stとは若干異なっているものの、こちらも負けず劣らずの名盤である。前作ではMetalとPopの融合を図り彼女ら独自の世界観を構築した作品となっていたが、本作ではそのPopさは残しつつもよりMetalというジャンルを突き詰めた作品になっている。しかしそれは決してメタリック度合いが深まったという訳ではなく、一口にMetalと言っても多種多様な音楽性を持ったジャンルであるが、その要素を大々的に取り入れているという点である。6曲目は民族要素はあまり強くないもののヴァイキングメタルであり、1曲目はパワーメタル、3曲目は彼女らの初期の代表曲でもあるギミチョコ!!と同様にインダストリアルメタル、8曲目はラップコアであったり、9曲目はMetallicaのSt. Angerをもじったものであろう。そういった点はPopさや可愛らしさは減退している分メタルの純度が上がる結果に寄与している。また一方で既存のものを踏襲するだけでなく、4曲目ではSkaのカッティングを取り入れているなど新しさもきちんと組み込まれた傑作である。全12曲。
☆☆☆☆★ Road Of Resistance / Karate / ヤバッ! / Amore -蒼星-
シンコペーション / No Rain, No Rainbow / Tales Of The Destinies
Pop ------------------------------
Metal Galaxy (2019)
メンバー脱退を経て2人体制となり、約3年半ぶりに発売された3rd。1stではMetalとPopの融合、そしてそれに続く2ndではMetalというジャンルの多様性をBabymetalという枠の中に落とし込んだ作品であったが、今作ではその2つをまとめつつも世界各国のドメスティックな音楽の要素を取り入れており、1st以前の初期のような雑食性に満ちた作品になっている。そしてそれは必然的に収録時間的には1枚で収まるところ2枚組の作品に分かれたことにも繋がっているだろう。Disk1は特にこの雑食性が強く、メタルとワールドミュージックとの融合がキーワードとして挙げられるようにユーロビート色の強い2曲目や、インドの豪華でありながらも審美的な雰囲気を持った4曲目など非常に多彩である。その一方でDisk2はこれまでの彼女らにしか表現できないMetal要素が全開の1枚となっている。しかし単なる過去の延長線上にあるだけでなく、それぞれの要素がブラッシュアップされて新たな世界を切り開くような意欲的な作品にはなっているが、打ち込みやエフェクトを多用しすぎている感もあり、楽曲ごとに今作では完成度に濃淡があるように感じてしまう点は残念なところではある。全16曲。
☆☆☆★★ DA DA DANCE / Elevator Girl / Night Night Burn!
Distortion / BxMxC / Starlight / Arkadia
Pop ------------------------------