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Chunk! No, Captain Chunk!

Something For Nothing (2010)
EPとVA”Pop Punk Loves You”への参加によって一気に知名度を上げたフランス出身の彼らの待望の1st。Easycoreの第2世代の筆頭とも言えるようなバンドであってその完成度は非常に高いが、彼らはPop Punkが持つポップさやキャッチーさ、Hardcoreがもつヘビィネスさや攻撃性、そしてMelodic Punkの疾走感や勢いなどすべての面において全方位的に振り切ろうとしていて、そのそれぞれの要素の完成度合いが高いところは単なるフォロワーでないことを証明しているだろう。また、ボーカルがキーボードも兼ねているためにそこにデジタル感が入り込み、独特のサウンドへと昇華している。ただしそういった雑多なジャンルをうまく組み込もうとしていてある面においてはそれは成功しているが、アコースティックやIndie Rock、ひいてはダンスミュージックの要素を入れ込もうとするあまり少し散漫だったり展開によっては野暮ったく感じる部分があり、その点だけが残念である。全13曲。
☆☆☆★★★ Born for Adversity / In Friends We Trust / Positiv-O / We Fell Fast
Sink or Swim (S.O.S) / Captain Blood / Milf
Pop Punk Can't Bear This Party "Ain't No Princess"
Pardon My French (2013)
フランス産easycoreの第一人者と言ってもいい彼らの2nd。今作では前作でのウィークポイントを上手く改善して、あらゆる面でバンドとして一つ階段を上ったことが実感できる1枚に仕上がっている。これまで同様easycoreのポップな部分とHardcoreの力強い部分の融合ということに関しては全く変化はないが、その根底は維持しつつもそれぞれの楽曲の中でのこの2つの要素の振れ幅が大きくなったように感じる。ポップな部分はよりキャッチーに、Pop Punkとしても十二分に楽しめるようなメロディや疾走感を生み出している一方で、Hardcoreな部分はより重く、ゴリゴリの東海岸のHardcoeやカオスティックにも匹敵するような重低音感である。今作ではその重低音感がかなり前面に出ているように感じられるが決してポップな部分も負けている訳ではなく、むしろクリーンパートのボーカルの成長度合いは著しい。反対方向のベクトルではあるがどちらもがお互いのパートに対抗心を抱いているかのように吹っ切れており、同時進行的に二つが高い次元で共存していることが今作の最大の特徴であり魅力でもあろう。全12曲。
☆☆☆☆ Restart / Taking Chances / The Progression Of Regression
Pardon My French / Between You Lines / I Am Nothing Like You
So Close And Yet So Far
Pop Punk A Day To Remember "Homesick"