thewarpedradio

Dead Rejects

This Is Killing Me (2014)
メンバーの脱退を受けて2人体制になってもなお精力的に活動を続ける彼らの1st。美しい旋律のイントロから始まる今作はこれまでの路線を踏襲しCrack Rock Steady的な要素を中心としていながらも、それだけに留まらない要素が数多く盛り込まれており、一皮むけた感がある作品に仕上がっている。CRSのギャング的ながなり立てるようなだみ声のボーカルはそのままであるが、その一方で楽曲によっては過去の作品であったKeyboradが居なくなった結果によるものかは想像の域を出ないが、ギターの音がカッティングでありながらも音域が高く打ち込み的な印象すら受けるようなアレンジになっている曲もある。この絶妙なチープ感が今までの彼らの作品の中にはなかった部分であり、CRSの王道を行きながらもそれだけに留まらない新たな側面を見せてくれるオリジナリティを前面に打ち出した作品である。メロディも勢いと衝動に溢れた部分もありながらも、どこか甘く湿っぽい香りを漂わせているアレンジと共に作品を重ねるごとに唯一無二のサウンドへと完成に近づいていっているようである。そんな新たな一面を打ち出してはいるものの良い意味で今まで通りのバンド感がありつつもどこかチープ感も感じられ、そして王道を行きつつもかなり聴きやすいアルバムであるため、CRSの入門編としても最適な1枚でもある。全12曲。
☆☆☆☆ Hollowed Out / Turning 20 Something / Dying Day
Bury Me / Nowhere Bound / Write On
Crack Rock Steady Star Fucking Hipsters "Never Rest In Peace"
Downers (2016)
新たにベースにMikeが加入して3ピースとなった彼らが放ったPositive Junkとのスプリット。ピアノを大々的に取り入れたインストで始まる今作はCrack Rock Steadyとは何かということを新たに問いかけるかのような、そんな新しさやジャンルとしての可能性の拡大を感じさせる作品に仕上がっている。従来までの吐き捨てるかのようにがなりたてるボーカルはそのままであるが、コーラスが多彩になったこともあるが全体的にはメロディが非常にポップな面が押し出されているように感じる。またキーボードを取り入れた5曲目などでは、Skaの裏打ち以外でのテンポ感が大きく変わったようにも感じられる。ジャンルにとらわれることなく音楽性の幅を広げた意欲作である。全5曲。
☆☆☆★★★ Hear Me Out / Keep Dancing / Burning Bridges / Loneliness
Crack Rock Steady Positive Junk "Downers"