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Eat Defeat

Time & Tide (2016)
前作のEPでそれまでのスカ要素の強いメロディックサウンドから大きく変化を遂げ、Hardcoreの要素もどことなく感じさせるモダンなPop Punkへと変貌を遂げた彼らの2nd EP。しかしサウンドチェンジをした前作では楽曲によってはまだ垢抜けない感が残っていたことも事実ではあるが、今作ではそれが完全に払拭された非常に近代的でありながらもどこか懐かしさも感じさせるような楽曲が揃っている。Melodic PunkからEasycoreなどを経由したようなサウンドは単にポップさやキャッチーさ、疾走感だけでなく、3曲目のように速さの中にも力強さを感じさせるような楽曲もあったりと王道ではあるがゆえにその完成度が輝いている。また00s初頭の疾走感の中にキャッチーなメロディが印象的ではあるが、決して焼き直しではないのはメロディからはあの頃とは異なり青臭く、そして甘酸っぱくもありながらもエモーショナルさがないところであろう。その代わりに緩急や縦ノリと横ノリを織り交ぜているところなどは様々な要素を柔軟に取り入れる10sのバンドならではのところであろう。全6曲。
☆☆☆★★★ DIYTanic / Shortcuts / Don't Look Back / The North Remembers
Fast Pop Punk Punchline "Action"
I Think We'll Be OK (2018)
前作を引き下げて2017年に来日も果たした彼らの2nd。前作のEPと同じ路線で少し重さを感じさせる部分もあるが、10s以降のMelodic Punkをルーツとしつつもより聞きやすさや耳障りの良さが心地よいPop Punk風味が強くなっている。前作で見せたこの変化が大きなターニングポイントになったと言えるだろう。ホーンがあるわけではないがリフが管楽器のような雰囲気を持った楽曲もあり、アレンジ全体が軽やかに流れていきあまりイギリスらしいジメッとした哀愁とは完全に別ベクトルとなっておりアメリカナイズされていると言えるだろう。一方で疾走感あふれる速さはそのままであり、このキャッチーで軽さのあるメロディが非常に懐かしさと共に新しさもある。メロディも伸びやかに言葉を一つ一つ丁寧に歌い上げるようなポップさがあり、テクニカルさに重点を置きがちな10sのMelodic Hardcoreとは一線を画している。だが10sのPop Punkともやや趣が異なるサウンドであり、速さと力強さと軽やかさが渾然一体となった作品である。全10曲。
☆☆☆☆ A Little Less Than Ok / Duvet Day / Nothing's Wrong / Shortcuts
Scorched Earth / Self Help / Not Today, Old Friend 
Fast Pop Punk At Both Ends "Wheel's Out The Window "