thewarpedradio

Jet Market

The Sky Will Cry Fire (2010)
どこか重々しいジャケットが象徴している様に、作品を重ねるごとに深く進化し純度を高めて彼らのある意味真骨頂を体現している様な作品とも言える彼らの100枚限定のEP。1曲目のようにポップな曲であっても、裏では人の叫び声にも聞こえてくるようなアレンジもあり、何処か人の根底にある感情をJMなりのフィルターを通した様な作品である。そのため全体的に重苦しく、今まで以上に何かを訴えかけてくるような迫力をもった作品である。3~5曲目は1曲が短いが、ある意味組曲的な要素を持っている様に感じる。また全体の冒頭と最後がループできる様な繋がりのある構成となっており、非常にコンセプト的な匂いもするが10分にも満たない作品であるために、あっという間に終わってしまう。しかし前述のようにループ感があるために作品として独特な浮遊感も感じられる。今までの彼ららしくもあり、新しい一面も感じられ、今後の彼らのある意味布石ともなりうる作品であろう。全6曲。
☆☆☆★ Wasted Future / Evolution Through Extinction
Roll Over And Die / Nuke This Place From Orbit
Melodic Hardcore Detournement "Screaming Response"

Anthology 1998-2012 (2014)
解散時にFarewell Showをしていなかったこともあり、2014年に最後のライブを行った際に合わせて発売された最初で最後のベストアルバム。しかしただのベストではなく再録、しかもそれぞれの楽曲制作時のメンバーで録り直されており、あらゆる面で一風変わった作品となっている。収録曲もまだイタリア語でも歌っていた初期からも満遍なく選曲されており、彼らの長い歴史はこの1枚で存分に味わうことができる。アレンジ自体は大きく変化している訳ではなく、むしろ長いキャリアの中でスラッシュメタルの要素が強い頃やHardcoreの要素が前面に出ていた時期などこの期間に様々な変遷があったはずだが、こうやって改めて聞きならべてみると根本は変化していなかったということを実感できる。そして今作にはAlexがメインになる以前、つまりは1st以前の作品からも1曲収録されており、それだけでも十分価値のある作品である。若干ミックスがきれいにまとまっており、荒々しさが薄れている部分もあるのは否めないが、彼らの過去と現在を繋げた作品であり、オリジナルアルバムと共に長く聞き続けるべきバンドである。全18曲。
☆☆☆★★★ ------------------------------
Melodic Hardcore ------------------------------