Not On Tour
S/T (2004) | |
地元のバンドが全員ツアーに出てしまっておりその間に残されたメンバーで結成されたという、バンド名もある意味洒落が効いている、イスラエル出身のNot On Tourの1st。バンドとしての初期音源であるだけに前のめりでスラッシーな勢いすら感じさせる力強いHardcoreサウンドが特徴ではあるが、彼らの持ち味はその中にもポップさやキャッチーなメロディがある点であろう。まるでドリルのように激しく細かく刻むリフが印象的な6曲目や重戦車の如く怒涛のように畳み掛けられる重さと速さが際立っているがほとんどであり、1曲の中にこれでもと言わんばかりに様々な要素を詰め込み、ショートチューンの嵐でありながらも決してポップさは失われておらず、この絶妙なバランス感が最大の魅力であり、間髪入れずに最後まで一気に駆け抜けていく勢いに満ちた作品である。全16曲。 | |
☆☆☆☆ | Baby You Such A Ho / Silly Thoughts Don't Touch My Stuff / Central Station, Final Destination Rhyme-Less / Cut All The Cords / Peace Of Mind Postcards / Lazy Ass Brother |
Fast Pop Punk | Avail "Over the James" |
N.O.T. On Tour EP (2011) | |
カセットでリリースされたEP。速いけれどもポップ。一言でこの作品を表すとしたらこれに尽きるであろう。相変わらず曲は短いが、その中に全てを凝縮している。70sの要素があると思えば、90s以降に発展したMelodic Punkの要素もあり、時代も国籍もジャンルも全ての面で良い意味で無秩序さが漂っている。これはイスラエル出身であることも無関係ではないだろう。国の文化的背景が遠からずも作品に影響していると考えられる。前作に見られたようなスラッシュハードコアの要素は若干陰りを見せ、今作ではよりメロディック側からのアプローチが多くなっている。メロディは非常にポップであるが、それだけではなく前のめりの疾走感が彼らの持ち味であり、それがポップなメロディと相まっている。スラッシュハードコアを前面に出した曲もありそれらの完成度も非常に高いが、今作ではポップサイドの曲の完成度がとてつもなく高い。純粋なメロディの完成度もさることながら、それが勢いのあるサウンドにうまくマッチしている。ありそうでなかった様々な要素が極上のブレンドを遂げた作品であり、本作は1stと2ndの過渡期ではあるが個人的にはどのアルバムよりも本作を薦めたいほどの完成度である。なおオリジナル盤は廃盤であるが、2012年に再発された1stのLP盤にボーナストラックとして全て収録されている。全8曲。 | |
☆☆☆☆★★ | Did You Get Enough? / Just Forget It / Dirty Envelopes 90% Out / TV / Fine |
Old School Pop Punk | Mixtapes "Hope Is For People" |