thewarpedradio

RVIVR

Life Moves (2009)
元Latterman、ShorebirdsのMattを中心に結成されたRVIVRの1st EP。Mattが中心であるため、上記のバンドから音は類推できるがまさしくMattの音と言える様な楽曲、バンドである。ある意味金太郎飴の様な感もあるかもしれない。しかし女性ボーカルであるErica嬢がこのバンドではかなりのウエイトを占めている様に個人的には感じる。従来とは異なりメロディはもちろん力強くも、どこか儚さを感じさせるのはこの二人の声が重なり合ったときに初めて生み出されるものであろう。決してキーが高い訳ではなく、むしろしゃがれている二人の声質が、彼らと言うフィルターを通して様々なものを聞き手に伝えてくれる。メロディだけでなく、展開など全てが心の奥底に優しく触れ、涙を誘う事間違いないそんなバンドに今回はなっている。ギターやアレンジもメロディと同様にそれだけで印象的ではあるが、決してメロディを邪魔していないのは彼らのセンスによるものであろう。Mattのことだからどうせすぐに解散するからとかそんなこと関係なく、まずは聞いて彼らの世界に触れてみて欲しい。全4曲。
☆☆☆☆ Life Moves / Plenty Of Time / Can't Stand It / Scrooged
Melodic Punk Thousandaries "Million Dollar Move, Two Dollar Shot"
Derailer (2009)
間髪いれずにリリースされた2nd EP。全体的には前作よりも少し勢いを落として、その分メロディが引き立つ結果となっている。しかし曲の中に込められた熱量は変わらずほとばしるほどである。しかもそれだけではなくメンバーによるシンガロングやMattとErica嬢の掛け合い、ザクザクと刻んでくるギターなどツボを押さえたアレンジなど相変わらず外さず、素晴らしい。また1曲目ではホーンを取り入れており、その影響かもしれないが広がりをも持った曲になっているその一方で2曲目はAcousticであるが、この曲は後の編集盤にも収録されておらずこの音源でしか聞けない。しかしこの曲はErica嬢の魅力が堪能できる曲である。恐らく一発撮りに近い状態での録音だろうが、その分よりシンプルになっている。Something Wrong's時代程音は歪んでおらず、その分心にゆっくりと染み渡るようである。単に勢いや疾走感などだけでなく、暗闇の中でふとした一瞬差す月の明かりのように、ある種独特な雰囲気をもったバンドである。全2曲。
☆☆☆☆★ Derailer / Real Mean
Melodic Punk Dirt Bike Annie "The Wedding"
RVIVR (2010)
コンスタントにリリースを続けている彼らの待望の1st。活動初期から常に、というよりもLattermanの頃から変わらないその姿勢はもはや職人技と言っても過言ではないほどにいつも通りの作品、楽曲である。Mattの作り出す熱量のこもったある意味暑苦しいメロディとそれをより補完し、更に高め合うEria嬢の激しくも温かみのある歌声はまさに彼らにしかできない芸当である。冒頭の静寂から始まるこの作品は時間が進むごとに静と動、緩急など相半する要素をこれでもかと言わんばかりの力強くもどこか暗さのある哀愁漂うメロディが一つにまとめ込んでいる。そしてシンプルなアレンジではあるものの、5曲目のようにジワジワと熱量などが男女ボーカルの掛け合いなどで盛り上がっていくような楽曲の数々はどんな言葉でも言い表すことが難しいほどの素晴らしさであり、名盤以外の何物でもない作品である。全12曲。
☆☆☆☆★★ Rain Down / Edge of Living / Breathe Out / Cut the Cord
Grandma / Life & Death / Cold in Your Bones / Change on Me
Melodic Punk Dan Paddila "Sports Fans"