thewarpedradio

Sakura

Leave The Nest (2017)
福井出身のシンガーソングライターの1st。両親が90sに活躍したSTUPID PLOTSやSILKYであったり、製作時に若干15歳であったりと、付加的な情報はあるもののそれに関係なく楽曲の完成度と歌声の存在感が非常に高い。楽曲の方向性としては基本的にアコギとボーカルだけというシンプルで様々なものが剥き出しである分、一つ一つの言葉やメロディが力強く響いてくる。声質も女性らしい優しい響きを持ちつつも若干ハスキー気味で高音の中にも低音も感じさせ、力強さと暖かさに満ちた楽曲が並んでいる。所々で演奏に粗さは残るものの、それがかえって感情が入り込んだメロディがストレートに響いてくるようである。この存在感は天性のものであり、アコースティックの路線と合わせてバンドサウンドでもこの歌声を聞いてみたくなるような魅力に溢れている。全5曲。
☆☆☆★★ Sign / Leave The Nest / Damn It / Nonetheless / Here And There
Acoustic Allison Weiss "Making It Up"
Whereabouts (2018)
前作リリース後に様々なバンドとステージを共にし、その経験を踏まえて制作された2nd EP。全体的には前作の延長線上にありながらも大人の雰囲気も少しずつ漂わせて、変化の兆しをも見せた作品になっている。その要因としてはボーカルの質感によるものであろう。力強く歌い上げるというよりも凛とした力強さ強さを持ちながらささやくように歌うスタイルへと変わったような印象を受け、メロディが少し奥まっているようにも感じられなくはないが透明感は変わらずなため、派手さはないもののじわじわと心に染み込むかのような楽曲やメロディがより一層輝いている。そのメロディも不安から生まれる暗闇の中から一筋の光明が指すかのような、ダークながらもその奥からは明るさや希望を感じ取ることができるだろう。繊細かつ大胆であり、今歌うべきことや感情が見事にパッケージされた名作である。全7曲。
☆☆☆★★★ Existence / Pace / Catch a Cold / Letter / Tender Space
Acoustic Waxahatchee "Cerulean Salt"