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Snuff

Snuff Said... (1989)
既にバンドとしては1st EPの段階で完成の域へと達していた彼らが満を持してリリースした1st。はた迷惑にも程が有るほどに長い作品名はご愛嬌ではあるが、リリース当時停滞気味であったUKシーンに与えた影響は計り知れないだろう。従来までのUKメロディックと同様にHardcoreからの影響を受けつつも、単にシリアスになったり重さと速さを追求するのではなく、シニカルさとユーモアを混ぜたポップなメロディがUK特有の哀愁度合いと入り混じったそのサウンドは、メロディだけでなくリフからも哀愁を感じられるところを含めて唯一無二の存在感を示している。決して難しいことをしているわけではなく、むしろ全体的には良いメロディとコーラス、そしてそれを補完するリフやアレンジのというシンプルにまとめられている。そういったバンドとしての根幹は既に明確になっているため、8曲目や13曲目のカバーも言われなければオリジナルと思えるほどに選曲やアレンジセンスが光る大名盤である。全15曲。
☆☆☆☆★★ Words Of Wisdom / Some-How / Not Listening / Too Late
Win Some, Lose Some / Night Of The Li’s
Little Git / What Kind Of Love
UK Melodic Leatherface "Mush"
Flibbiddydibbiddydob (1990)
元々カバーのアレンジのみならず選曲にも定評があり、1stにもカバーを収録していた彼らが2ndとしてリリースしたのはオリジナルが1曲めと5曲目の2曲だけで他はすべてカバーという異色の作品。The Specialsのカバーである2曲目やThe Whoの4曲目など王道な選曲からTVCMの楽曲を選ぶなど相変わらず目の付け所が、特にこの頃は素晴らしい。またアレンジもカバー集であるために前作の1stで全開であったUK Melodic独特の陰りのある雰囲気やシリアスさは今作においては皆無であり、全編に渡って底抜けに明るい。この底抜けない明るさは独特なDuncanのボーカルをオリジナルとは異なる意味において引き立てており、彼のボーカルの別の魅力を感じさせる。またただでさえ速いG.B.H.の楽曲は更に速くしたり、10曲目ではトロンボーンを入れたり、11曲目はカントリー調から一気に加速するなど遊び心に溢れ、10曲で17分で終わる潔さである。全11曲。
☆☆☆☆★ Rods & Mockers / Ecstacy
UK Melodic ------------------------------
5-4-3-2-1 Ding-a-ling Yahon (2011)
毎回恒例のJapan Tour時のTour EP。これで通産5枚目となる。内容はいつも通りの胡散臭い、そして一向に上手くならないDuncanの日本語が、常にこのTour EPの中でSnuffをSnuffたらんとし続けている一つの要因であるように感じる。決して回数をこなしたからといって上手くなっている訳ではない。むしろ全く成長していない。しかしそういった点があるからこそ愛されているのであろう。彼らの場合は選曲のセンスの良さが相変わらず光っている。しかしどんな曲でもやっていることは変わらず、結局はどこからどう見ても、聞いてもSnuffである。そこは相変わらずの安定感である。しかしそろそろアルバム単位で彼らの新曲を聞きたいと思っているのは自分だけではないはず。正直Tour EPに収録されている彼らのオリジナル曲はあまり印象に残らない事が多い。全8曲。
☆☆☆★★ I Know You Meant Well / Rat Run / Bones For Company / Ethel
UK Melodic ------------------------------