thewarpedradio

Time To Break Up

To Songs (2009)
茨城出身の新鋭、TimeToBreakUpの2ndDemo。1stDemoを聴けていないのでこの音源のみでしか判断はできないのだが、少し篭り気味の声が良くも悪くも彼らの特徴であろう。近年のこの手のバンドはメタリックな手法を取り入れがちであるがそれがほとんどなく、シンプルなリフを前面に押し出していることがメロディの輪郭を際立たせる結果となっている。比較的ボーカルのkeyが高いため、それが若干の線の細さを感じさせる面もあるが、上だけでなく、下のコーラスも入ればその点も克服できるのではないだろうか。今のバンドの多くが失くしてしまっている90年代の雰囲気、切なさや儚さを未だに持っているバンドであり、メロディセンスも素晴らしいものがあるために、今後の活動に注目したいバンドである。全2曲。
☆☆☆★ Feeling / There Is No Regret
Melodic Punk ------------------------------
Days Regain (2010)
満を持しての1stEP。前作のデモではボーカルの声の細さが個人的には気になっていたが、今作ではそれをうまく生かしており彼ら独自の世界観を構築し始めているかのように感じる。keyが高いが故の線の細さが、哀愁だけでなく儚さをより表現しており、元々のメロディの良さを今まで以上に生かしている。シンプルなアレンジがそれに拍車をかけているが、それだけではなく5曲目のようなミドルテンポの曲や、7曲目のようにベースで壮大な雰囲気を作り出しているなど、まだまだ引き出しの多さをも感じさせてくれる。また、前作のデモの曲はどちらも再録されている。多少の変化はあるものの大きなアレンジの変更はなく、むしろスピード感が増している。だからこそ彼らの成長・変化を感じ取れる作品と言えるだろう。収録曲数は少ないながらも自らの音を作り上げている過程で生み出された、今後への大きな可能性を秘めた1枚である。全7曲。
☆☆☆☆ Unforgetable Place / Feeling / Air Mail / Awake
There Is No Regret / Old Time
Melodic Punk Useless ID "The Lost Broken Bones"
EP 2012 (2012)
再び自主制作で発売された2曲入りのEP。今までの路線を踏襲した哀愁漂うメロディの良さとつつも、速さだけに頼らないシンプルながらも起伏に富み壮大な雰囲気をも醸し出す彼らの魅力が最大限に生きている作品である。また今作では今まで以上にコーラスワークが印象的であり、単なる過去の延長線上にあるだけでなく作品を重ねるごとに成長を感じさせてくれる。この疾走感を維持しながらのこの哀愁度合いは彼らの専売特許であり、他に類を見ないほどに確立されている。曲数的には正直物足りなさを感じてしまう部分もあるが、それを補って余りあるほどの完成度の高さである。全2曲。
☆☆☆★★★ That Girl's Birthday / Permanent Place
Melodic Punk ------------------------------