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Apologies, I Have None

London (2012)
待望と言ってもよい彼らの1st。若干フォーキーな要素は薄れているが基本的には今までの方向性と変わりはなく、それを突き詰めているのが本作と言えるだろう。1曲目がアルバムとしてのイントロのごとくじわじわとその後への期待感を持たせておいて、既発曲ではあるものの2曲目で爆発する流れは反則でとも言えるくらいの力をもっている。しかしそれ以外の曲もそれぞれが力強さをもっている。しかしそれ以上に彼らの持ち味は思わすこぶしを突き上げて芯がロングしたくなるほどのメロディであろう。今まで同様良い意味で洗練されていなく、泥臭いそのメロディは聴く側の心を鷲掴みにする。またアレンジも泥臭く、侘び寂びではないがそうとも言えるくらいの足し引きをみせている。テンポは速くはないので緩急と言うには語弊があるかもしれないが、曲の中での盛り上がりをうまくその部分が担っていると言えるだろう。だからこそ変にギターを歪ませすぎることのないアレンジであり、その結果メロディが最大限に生きているのだろう、またピアノを取り入れたりなど一変調子ではなく聞かせるような曲もあり、アルバムとしてのまとまりや作品を重ねることによる彼らの成長も感じさせてくれる作品である。まだまだ若いバンドではあるが、これからどんな傑作を生みだしてくれるのか非常に楽しみなバンドである。全10曲。
☆☆☆☆★★★ 60 Miles / Sat In Vicky Park / Clapton Pond / Concrete Feet
Still Sitting Tight / Holloway Or Anywhere / The 26
Joiners & Windmills / Foundations
Melodic Punk Against Me "New Wave"
Pharmacie (2016)
前作のアルバムリリース後に中心メンバーでボーカルでもあったDanが脱退し、ギターのJoshがボーカルを兼ねるなどある種新たなバンドとしてリスタートを切った彼らが、Simonが加入し再び4ピースとなって制作された2nd。前作のEPでその傾向は少し出ていたが、ボーカルが変わったことにより前作までのシンプルで力強いメロディを中心にしつつも疾走感もあったサウンドから一転し、力強くもどっしりと構えた絶妙な渋さを兼ね備えたサウンドへと変化している。UKのバンド特有の渋さや陰りのある哀愁がこれまで以上に強調され、緩急や静と動を強調したサウンドは非常にダイナミックであり、Melodic Punkという枠を超えてIndie RockやEmo、そして普遍的な意味でのRockの要素も感じ取れるだろう。一方でフォーキーな香りは減退してしまったことは残念ではあるが、その分年齢やキャリアを重ねたことによる少し枯れた哀愁感と暑苦しさも覚えるボーカルとの絡みが冴え渡っている作品である。全10曲。
☆☆☆★★★ Love & Medication / The Clarity of Morning
Goodbye, Peace of Mind
Everybody Wants To Talk About Mental Health
It's Never The Words You Say / A Pharmacy In Paris
Melodic Punk Hot Water Music "Forever And Counting"