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Before Me

序章ep (2016)
Easelの解散後に、ボーカルであったトカレフ丸山氏を中心にBetter Off Todayのメンバーなどで結成されたBefore Meの初音源。Easelの頃よりもルーツに近い東海岸Hardcoreの影響を色濃く反映させながらも、それだけに留まらずによりエモーショナルさやメロディックさ、キャッチーさ、力強さなど速さだけに特化することなく全方位的に様々な要素を取り入れてそれを高次元でまとめている。元々ルーツを踏まえながらもオリジナリティを発揮していたバンドのメンバーが揃っていることもあるが、日本語で力強くも一つ一つの言葉を丁寧に歌い上げており、エモーショナルかつキャッチーで熱量の高いメロディの良さも相まってシンガロング必至の楽曲しか収められておらず、今後の活動が非常に楽しみなバンドである。全3曲。
☆☆☆★★★ 放つべきその感情 / 救いはその手の中で / 嵩む傷を背負い込んで
Melodic Hardcore ------------------------------
日々続く (2017)
エモーショナルなギターのリフとマーチングバンドのようなドラムが印象的なイントロから幕を開ける、前作の配信限定EPに続く初の正式音源になる1st EP。以前よりも日本語の響きを大切にしながらも、LifetimeやGrey Areaなどルーツに近い東海岸Hardcoreの香りが色濃く現れている。また前作のEPは再録されて全て収録されており、大きくは変わっていないはずなのだが同じ楽曲でも聞こえ方が全く異なるように聞こえる。全体的に力強く、一つひとつの音がくっきりとしており、そして特にメロディの力強さと併せて歌詞の一つ一つが心に響き説得力が格段に増している。元々キャリアのあるメンバーが集まっており、バンドとしての方向性が明確であることと併せて、そのバンドが持つポテンシャルを最大限に引き出しているDEVUレコーディングの功績も大きいだろう。どの曲も彼らにしか鳴らせないサウンドが詰め込まれた名作であり、EPではなくアルバムが非常に待ち遠しいバンドである。全7曲。
☆☆☆☆ 放つべきその感情 / 救いはその手の中で / 朱色の季節
其の存在 / 嵩む傷を背負い込んで
Melodic Hardcore Grey Area "Grey Area"
立ち止まって休んだくらいで絶望は訪れない (2019)
都内を中心に活動を続ける彼らの約2年ぶりの2nd EP。方向性は以前のままではあるが、今作ではタイトルを含めてメッセージ性が非常に強くなった印象を受け、音だけでなくより一層歌詞が心に響いてくる。1曲目は疾走感に溢れながらもどっしりと構えたかのような絶妙かつ心地よい速さが印象的であり、2曲目はその一方で前作までの流れを引き継いで、日本語を載せた懐かしくも新しい、本来のMelodic Hardcoreがここに詰まっており、言葉による響きも含めて彼らにしか作り出すことのできない渾身の名曲である。3曲目はストレートなHardcore要素を全面に押し出しつつも途中でポップ感を感じさせるメロディとそれを補完する強烈なシンガロング、4曲目ではその流れを引き継いでキャッチーなリフから幕を開け、メロディも力強くも爽快感がある。どの曲も彼ららしくもバラエティに富んでおり、次の作品への期待を強く感じさせる作品である。全4曲。
☆☆☆☆ 並列的思考のススメ / その一瞬、希望に転じて / あゝ 今だけは
Melodic Hardcore Dead Ex "Tokyo Beautiful Mess"