thewarpedradio

Broccoli

Home (1998)
Mega City Fourや初期Snuffなど古き時代のUK Melodicを現代にそのまま体現した、いやむしろそれを成し得た唯一のバンドといってもよいBroccoliの最高傑作である2nd Album。数多くのUK Melodicの名盤はあるが、それを今作が上回る大きな要因は音から一つの映像、情景を明確なまでに感じ取れるところである。冒頭からの淡々としつつも秘めた力強さを感じさせるリズム隊に、寒さと湿り気を帯びたギター、そこに心の奥から絞り出すようなしゃがれながらも切ない声にメロディ。その一つ一つ全てから濃い霧に包まれ、自分の手すら見えないような状況の中でも必死にもがき苦しみながら前進しようとする映像を感じ取ることが出来るだろう。そして何よりも前作を凌ぐほどの輝きを見せているメロディは、10年以上経過した現在でも色褪せることなくいつ聴いても人の心に何かを深く訴えてくるだけの力を持ち続けている。1stに比べてメロディや楽曲が持つ雰囲気の切なさや儚さ、そして疾走感が増した結果が今作をUK Melodic史上に燦然と光り輝く名盤へと押し上げており、このジャンルに限らずどんな人でも避けては通れない作品の内の一つであろう。全10曲。
☆☆☆☆★★★ Constance / Chestnut Road / I Am A Robot / R.S.V.P.
The Ten / Tougue Tied / Short Straw Fate / Well Wishing
UK Melodic Mega City Four "Tranzophobia"