thewarpedradio

Circa Survive

The Inuit Sessions (2005)
1枚のEPで一気にある意味伝説の存在となったSaosin。そのボーカルであったAnthonyがSaosin脱退後に結成したCirca Surviveの1st EP。方向性としては大きくは変わらないが、最大の違いは世界観の作り方である。体全身から溢れだすような感情を振り絞っていることには変わらないが、理路整然と組み立てられた音はプログレの様な独特の浮遊感や空間性を持っており、そこには自らの感情ながらもある種の客観性を兼ね備えているようにすら感じる。淡々としている訳ではなく、むしろ静かに、そして明確に伝えようとする意図がうかがえる。そして一定の冷たさや温かさを含んでいる音をより引き立てているのがボーカルであろう。メロディや声質など全てがscreamがない分、彼の声が持つ神々しさをより引き立たせている様に感じる。こう言った意味でも本来のemoの姿勢を体現しているバンドであるが、それを音的に進化させ、プログレなどの要素を詰め込んだバンドが彼のやりたかった音楽なのであろう。バンドとして最初の音源であり、実験的な要素があるものの、完全に自分たちの音を既に構築している作品である。全4曲。
☆☆☆★★★ Act Appalled / The Great Golden Boy / Suspending Desbelief
Emo Eversor "September"