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Dead Market

For What It's Worth (2013)
Jet Market解散後、その中心メンバーであったAlexによって製作された楽曲を、製作・録音・エンジニアまで全てをAlex一人の手により製作された今作は誤解を恐れずに言えばAlexのソロ作品と言ってもいいかもしれない。一般的にソロ作品はバンドとは異なる方向性を打ち出しているものが多い中で、この作品はJet Marketの新作と言ってもおかしくないほどのクオリティであり、楽曲のベクトルも同様である。しかしバンドの頃とは多少違う点ももちろんある。Melodic Hardcoreを基本としていることは変わらないがメタリック度合いはもちろんありながらも若干抑え気味であり、どちらかと言うとより初期のように全体的に勢いを重視した欧州Hardcoreの影響を色濃く感じさせてくれる。しかし結局は何もAlexの歌声、楽曲ひいては存在がある意味Jet Marketであったということを改めて感じさせてくれるような作品に仕上がっている。全てはAlex一人によるものであるからか、それぞれの楽器のバランスがお互いに干渉することなく絶妙なバランスで仕上がっている。バンドのどの時期の作品にも似通ってはいないが、その一方で非常に懐かしさを感じさせてくれる楽曲が揃っており、解散という結論に達してしまったのが心から残念である。全12曲。
☆☆☆☆ In Living Memory Of Something Unnecessary / Card Towers
Fair Trade / Small Time Preacher / Promises And Apologies
Dead Rape / Carefree Days
Melodic Hardcore M-Sixteen ""M-Sixteen

Asunder (2015)
バンド解散後もコンスタントにリリースを続けている2nd。オリジナルはEPではあるが、日本盤として昔から親交が深いMilestone Soundsから前作との2in1として発売された今作はこれまでの作品や方向性と全くブレておらず、前作だけではなくJMの作品を機に行っている人であればなにも違和感なく聴くことができるであろう。お手本の一つとも言うべき正統派Melodic Hardcoreのスタイルは変わらないものの、今作ではソロプロジェクトとして2枚目ということで前作とは違う要素も、ということが念頭にあったかはわからないがドラムとギターがグイグイと引っ張るスタイルはそのままでありつつもコーラスが分厚くなったりなど歌やメロディがより前に出てきている印象を受ける。個人的にはベースが他の音に埋もれ気味であり、ドラムだけではない低音の深み的なものが若干弱い点が気にはなるが、それは好みの問題かもしれない。またボーナストラックとしてSeed'n'Feedのカバーが収録されている。原曲自体はミドルテンポであり若干意外性のあるチョイスではありながらも、原曲の雰囲気は残しつつ高速アレンジを施しておりこれも一聴の価値のあるカバーである。全18曲。
☆☆☆★★★ Asunder / Terrorised By Hope / Pyrrhic Victory
When Enough Is Enough
Melodic Hardcore Daggermouth "Stallone"