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Downway

Downway Is As Downway Does (1995)
カナダにおいてBelvedereと双璧をなしていた彼らの記念すべき1st。1曲目からミッドを強調したベースラインが中核をなしつつも、その上をテクニカルさはなく若干前のめりの速さとスカスカなリフが乗っかり、少しがなり気味のメロディが絡みつくサウンドは派手さはないながらも独特であり、彼らにしか鳴らせないものであろう。またそのメロディも若干のっぺりとしつつサビで同じ歌詞を繰り返すことが多いながらも、それが翻って非常に印象的なものになっている。更にはそんなメロディがシンコペーションや裏打ちなど、裏を強調するリズムやアレンジ中心としたサウンドで緩急や押し引きが加わることによって、速さの中でもメロディが非常に立体的になっており聞けば聞くほどに中毒性を増してくるようなものになっている。全10曲。
☆☆☆★★★ Falling Pieces / You Don't Know / Borrowed Time
You Said It'd Work Out Fine / How Could I... / Don't
Fast Melodic Punk The Almighty Trigger Happy "I'll Shut Up When You Fuck Off"
Kacknacker (1998)
結成翌年にリリースとなった1stが比較的シンプルになっていたのに対して、活動の中で少しずつ彼ら独自の色が濃くなってきた感もある2nd。今作では前作のような裏を強調したアレンジは鳴りを潜め、どっしりと構えつつも若干前のめりで突っ込んいくかのような計算された勢いに溢れた作品になっている。前作では少しのっぺりとしたメロディも今作ではがなりたてるような部分もあるが、ザクザクと刻むギターに力強くも少し枯れたような哀愁漂うメロディが絡み合うことで派手さはないながらもツボを抑えたコーラスワークと合わせて引き立っており、バンドとしての成長を感じることができるだろう。また今作では5曲目でインストが入ることにより少し以前とは異なる新たな姿を提示している冒頭4曲に対して、中盤は1stの良さを取り込んだガチャッとして垢抜けなさも残しつつも、時折スラッシー要素も入れた前作の延長線上にある楽曲が並ぶ。そして後半では少し速さは抑え気味でポップなメロディが際立つ楽曲が並ぶなど、前半、中盤、後半でそれぞれ見せる表情が異なり、多様なサウンドが楽しめるだろう。全14曲。
☆☆☆★★ Jenny's Forest / Jack That Tastes Like Rye / Whipped
Lookin' Back / ...For Something / Rearrange / Apple Cobbler
3;30 At The Bike Racks... And Bring Yo Mamma!
Fast Melodic Punk Face To Face "Big Choice"
Never Be Clever Again (2000)
これまでのMelodic HardcoreやSkate Punkの要素が少なくなり、力強くもどこか青臭さを感じる爽快なMelodic Punk路線へと少し舵を切ったかのように感じられる3rd。そして少しポップさが増したことによりメロディがのっぺりとしたかのような1曲目から幕を開ける本作は、所々に速さは残っているものの前作の後半で多く見られたようなポップなメロディが主体となっている。しかし2曲目ではPinhead Circusなどのコロラド出身のバンド特有の早口で前のめりにまくしたてるかのようなポップなメロディが印象的であるが、そこに絡むリフはサウンド的には軽いもののテクニカルさ満載であり、そのコントラストは面白い。従来までの若干前のめりな勢いはなくなった分、どこか地に足をつけたようなどっしりと構えた作品に仕上がっている。しかしミックスの問題もあるが、若干音が後ろに引っ込んでいるような印象を受けるのが残念である。全14曲。
☆☆☆★ Left you right / One of us / Love you to pieces / Drop dead policy
Skywalker / Three more days / Glory
Fast Pop Punk Sidewalk "Full Throttle"
Last Chance For More Regrets (2019)
2018年に14年振りとなる再結成を行い、年末にはには奇跡の来日を果たした彼ら単独作品としてはほぼ19年ぶりにリリースした5th。3rdからその傾向はあったが疾走感は残しつつも速さは抑え気味であり、キャリアを重ねた分どっしりと構えたかのようなミドルテンポの楽曲が全体的には増え、最後を飾る12曲目は少しスタジアムロック的なダイナミックさを兼ね備えている。しかしその一方でメロディにはその分深みが増しており、力強くも渋さを伴う哀愁感が満載である。また3曲目では最後に加速していたり、9曲目など曲によってはどっしりと構えつつも、終始とまではいかないが速さを上手く組み込んでいる楽曲も多くあり、メロディアスさと緩急のバランスに優れた作品であり、BPMに依存しない疾走感や爽快感にあふれている作品である。全12曲。
☆☆☆★★★ Black Taxes / Part Of The Show / Mary / Wild Ones
Saying Your Name / Punk OG / Last Night's Makeup
Melodic Punk Hey! Mike "Pop And Circumstance"