The Early November

For All Of This (2002)
	mp3.comで人気を博したことにより結成の翌年に早くもDrive-Thruからリリースされた1st EP。アコースティックの質感を残しつつもエモーショナルに、そしてダイナミックに歌い上げるメロディとEmoの要素が主体ながらもIndie Rockっぽさを加えたアレンジの楽曲と、4曲目のようなアコギ主体の生々しい質感の楽曲と両極端のサウンドが統一された一つの世界観の中に構築された作品に仕上がっている。また所々でPop Punkの青さを伴った瑞々しい疾走感も感じる部分はあるが、全体としては勢いよりはメロディの良さを全面に押し出した落ち着いたサウンドに仕上がっている。だからこそ派手さもなく当時のDrive-Thruの中でも異端的存在であっても広く受け入れられたのであろう。そしてそのメロディの良さは5曲目を除いてThe Acousticという作品で全て再録されていることでも物語っている。全8曲。
☆☆☆★★	Every Night's Another Story / I Want to Hear You Sad Sunday Drive / Take Time and Find / Ashala Rock / Come Back
Emo	The Beautiful Mistake "The Beautiful Mistake"

The Room's Too Cold (2003)
	前作のEPで一気に知名度を上げた彼らがリリースした渾身の1st。アルバムに対しての気負いは一切感じられず、タイトル通り寒々とした凍えるような寒さに包まれた雰囲気の中で一筋の暖かさを感じさせるような楽曲が並んでいる。その中でも静けさの中でもふとした瞬間に見せる抑圧された怒りのような力強さがあり、メリハリの効いた静と動が織りなすコントラストが心地よい。また楽曲によってはシームレスに繋がり、作品全体としても躍動感に満ちつつも静と動を抒情的に描いていると言えるだろう。少しポップ気味なメロディで始まりつつもサビで一気にエモーショナルさが爆発する4曲目や、ほぼ折り返し地点にある7曲目では前半までの躍動感を抑えて、エモーショナルに穏やかに歌い上げているなど、Pop Punk要素もしっかりと感じさせつつも、初期Emoの流れを着実に受け継いでそれを見事なまでに昇華した名盤である。全11曲。
☆☆☆☆	Ever So Sweet / The Mountain Range In My Living Room Sesame, Smeshame / Baby Blue / Dinner At Money Table My Sleep Pattern Changed
Emo	Starmarket "Starmarket"