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First To Leave

Sometimes, Walnut Creek (2008)
楽曲だけでなくジャケットも印象的なValve Driveとのスプリット。曲数的にはもちろん物足りなさを感じてしまうが、そんなことが些細に思えてくるほどにそれぞれが持ち味を発揮している名盤である。アルバムの延長線上にある楽曲が並んでいるが、どの曲もそれぞれが独立した個性を持っている。そして作品全体として言えることはエモーショナルさを前面に出してはいるが、それぞれが違う形で表現している。1曲目は勢いがある中でもメロディやギターの音がよりエモーショナルさを感じさせてくれる。それだけではなく後半では勢いを落とすことなどによりメロディに重きを置いている。それに対し2曲目は全体的に少しスピードを落としていることによりそれが増している。特に最後のコーラスは叙情的であり、今までの彼らにはあまり感じることのなかった要素を堪能できる。3曲目は逆にメロディやボーカルの力強さを前面に出しているが、アウトロに向かっていくにしたがってピアノを導入し、曲としても作品としても最後を飾っているこの音色は何か漠然としたものに対してではあるが切なさや儚さを感じさせてくれる。派手さはなくとも、純粋に楽曲の魅力を最大限に引き出している1枚である。全3曲。
☆☆☆★★ Amber Sunlight / Greenwood / Fishline
Pop Punk Valve Drive "Sometimes, Walnut Creek"