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Harbour

Grade School Summer (2014)
彗星のごとく突如日本に紹介された彼らのこれまでのキャリアを総括するような編集盤。全体的にはモダンなMelodic Punkではあるが、その根底には確実に00sの影響を十二分に感じさせてくれる1枚に仕上がっている。10s以降のPop/Melodic Punkはモダンハードコアの重さやタメを効かせたサウンドが多く、このような明るくも甘酸っぱいメロディが止まることのない軽やかな疾走感の上を縦横無尽に突き進んでいくサウンドを主体とするバンドは減ってきておりリアルタイム世代には懐かしさが、それ以降の世代にとっては一蹴して新しくさえも感じさせる、そんな音を作り出している作品である。つまりは往年のDrive-thruの様な雰囲気を持っているが西海岸のバンド特有のあの乾いた空気感はそこまで強くなく、むしろ伸びやかで明るく青臭いメロディからは日本のバンドの様な侘び寂び的な叙情感を醸し出している。そういった部分においても最初から耳になじむかのような懐かしさがそこにはある。また基本的にはあくまでも軽やかにコーラスやリフが駆け抜けていってはいるがメタリックなフレーズも散見させているなど現代的なアプローチを積極的に取り入れている。このバランス感覚こそが最大の魅力であり、Pop/Melodic Punkの歴史をすべて盛り込んだかのような模範的な作品である。全11曲。
☆☆☆☆ The End / Grade School Summer / Someone Like You
Couldn't Hack It / Sorry, Not Sorry / In Her Words
All My Exes Are Dead To Me
Fast Pop Punk Hey, Mike! "Embrance Your Hooks"