The Movielife
This Time Next Year (2000) | |
この作品に大きく影響されたバンドは数知れず、この作品からバンド名を取ったバンドもいるほどに名盤と名高い2nd。東海岸特有のHardcoreに影響を大きく受けつつも、エモーショナルなメロディをブレンドしたサウンドはオリジナリティの塊とは言えないが、それでも今作の完成度を極限にまで高めているのは、そのバランスとメロディの良さにあるだろう。エモーショナルに歌い上げるボーカルからはVinnieの圧倒的なカリスマが既にこの頃から遺憾なく発揮されているが、それだけではなくメロディからはHardcore的な力強さと、初期Emo特有の青臭さを感じることができる。どちらかに偏ることなく、青臭くも力強く歌い上げているメロディが疾走感と適度な重さを兼ね備えたアレンジの上で躍動するサウンドは爽やかさに溢れているおり、心地よい作品である。全12曲。 | |
☆☆☆☆ | I Hope You Die Soon / 10 Seconds Too Late / This Time Next Year Once In A Row / Self-Destruct / Single White Female / Pinky Swear Me And You Vs. Them |
Pop Punk | Saves The Day "Can't Slow Down" |
Forty Hour Train Back To Penn (2003) | |
前作までのNew Jersey特有のHardcore要素が若干薄れて、メロディを重視する方へとベクトルを切った3rd。しかし若干薄れたと言ってもそれは洗練されたことにより勢い任せの部分がなくなったことを意味しており、大人しくなったことということは意味しておらず、むしろよりルーツであるHardcoreに戻ったかのような印象を受ける。前作までの延長線上にあるような5曲目や今までにはないポップパンク度合いを増しつつもエモーショナルに歌い上げる7曲目など、今までのような青臭さを感じさせるメロディも健在ながらも、力強さが増していつつネットリとした強く訴えかけるようなメロディ、サウンドプロダクションへと変わっており、端的に言えばScreamがないScreamoバンドのようではあるが、そのギリギリを攻めている絶妙なバランスが彼らの新たな魅力であり、Drive Thruの中では完全に異端ではあるが、ルーツを大切にしながらも大衆性を持たせたこの時代では稀有な例と言っても過言ではないかもしれない。それくらいバンド、この作品の立ち位置は独特である。 | |
☆☆☆★★★ | Face or Kneecaps / Jamestown / Kelly Song / Hey / Jamaica Next Keep Never Changing |
Pop Punk | Saosin "Translating The Name" |
Cities In Search Of A Heart (2017) | |
前作リリース後に解散を表明した彼らが2014年に再始動を発表して幾つかのライブを行った後、2016年に先行シングルを配信後に表立った動きがなくなってしまった彼らがついにリリースした14年ぶりとなる4th。1曲目こそアップテンポなナンバーではあるもの、ストリングスを入れてアコースティックでありながらも情熱的に歌い上げる5曲目など、昔のように青さは少なくなっており渋さや暖かみと力強さが入り混じった円熟した楽曲が並んでいる。解散期間にはVinnieのI Am The Avalancheやソロの活動もあったが、そういった活動を踏まえて総括したかのような元々The Movielifeが持っていた東海岸Hardcoreの要素に、I Am The Avalancheで表現されていた渋さや男臭さが加わったオルタナティブなパンクと、Brandonが活動していたNightmare Of Youで見られたIndie Rockの要素やアプローチも確実に組み込まれており、この解散していた期間もそれぞれがキャリアを積み上げていたものがそのままMovielifeという枠の中で自由に表現されているのが本作であろう。ぜん全10曲。 | |
☆☆☆★★★ | Ski Mask / Ghosts In The Photographs / Sister Saint Monica Pour Two Glasses / Lake Superior / Blood Moon / You're The Cure |
Pop Punk | Hot Water Music "Light It Up" |