No Fun At All
Low Rider (2008) | |
一度解散したものの、その後復活の狼煙を上げた5th。解散からかなりの期間が空いたものの、その影響は感じられず、歌詞に込めた一番の思いだからなのか、それとも楽曲を象徴する言葉なのかは分からないがサビでタイトルを連呼するスタイルも変わっておらず、むしろ解散前が若干大人しいサウンドに変わったことを考えれば、矢継ぎ早に疾走感あふれる楽曲を収録している姿は初期の姿を彷彿とさせる。北欧特有の若干のっぺりとしたメロディは歌い方も含めて相変わらずBad Religionを彷彿とさせ、全体的には前作のスピード感の減退がそのままバンドとしての衰退にも繋がったこともあり、速さが戻ってきて疾走感あふれるサウンドに仕上がっている。しかし個々の楽曲のクオリティは低くないものの、全体を通して印象に残る楽曲があまり多くないこともまた事実であろう。バンドは刻々と変化するものであり、どのバンドにも往年の姿を求めてはいけないのかもしれないが、やはりひとつの時代の一翼を担った彼らにはより高い期待をせずにはいられない。全14曲。 | |
☆☆☆★★ | Mine My Mind / Never Ending Stream / Forevermore Man With The Powers / Sorry To Say / The Beautiful Sound Wind-Up |
Melodic Punk | Utopia Now "Man In The Mirror" |
GRIT (2018) | |
長い活動休止期間を経て約10年ぶりのリリースとなった6th。最初の1音目から往年の彼らの力強くも軽やかに疾走していくサウンドが詰まっており、前作が2ビート主体でありながらも綺麗にまとまりすぎた結果少しのっぺりとしたような作品であったのに対して、今作では楽曲だけでなく作品としても3曲目のように少しテンポを抑え気味の楽曲もあったりと緩急が強調されていてメリハリのある作品に仕上がっている。そして冒頭2曲のような勢いに溢れ、サビではタイトルを連呼するいつものサウンドも良いが、今作では4曲目や中盤の楽曲などの円熟味を増したBPMによる速さに頼らない楽曲の出来が素晴らしい。北欧のバンド特有の無機質感に熱量や哀愁など様々なものが入り交ざったメロディは3rdまでの彼らを彷彿とさせる部分もある。そしてそういった曲であってもリフではテクニカルさをさり気なく出していて、軽やかさを伴う速さを感じられる今作は、盛大なる復活の狼煙としては完璧である。全12曲。 | |
☆☆☆★★★ | Spirit / No Fun Intended / The Humdrum Way / Forth Sucker (For A Plan) / A Wonderful Affair / You're In Control |
Melodic Punk | Bad Religion "The Process Of Belief" |