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NOFX

Punk In Drublic (1994)
Ef Hefeが加入してからの大きく方向転換した前作と同じベクトルながらも、それを進化させ彼らの人気を決定づけたと言っても過言ではない5th Album。1曲目から快調に飛ばしていく様は、Melodic Punkの一つの形を示したと言ってもいいほどの名盤である。特に1曲目から5曲目にかけての流れが素晴らしく、それだけでも十分に聞く価値がある作品である。疾走感がありながらも程良く力を抜いた緩急をつけているアレンジや、5曲目に代表される様なメロディはポップながらもポリティカルな要素をふんだんに盛り込んでいたりと、疾走感を前面に出しつつも彼らの持ち味を存分に味わう事が出来る1枚である。しかし冒頭5曲のインパクトが強い分、個人的には作品の後半の印象がどうしても薄くなってしまう。決して捨て曲がある訳ではなく7曲目を筆頭に完成度も非常に高いのだが、良くも悪くも冒頭のインパクトが圧倒的であるが故の若干皮肉な作品である。しかし90年代を代表する1枚であることに変わりはなく、時代を代表する作品であり、今後も聞かれ続けるべき作品である。全17曲
☆☆☆☆☆★★ Linoleum / Leave It Alone / Dig / The Cause / Don't Call Me White
Perfect Gorvernment / The Brew / Dying Degree / Punk Guy
Happy Guy
Melodic Punk Curbside "The Sound I Know"

The Decline (1999)
1曲のみの収録、そして18分の大作であるという本作品は様々な面で歴史上に残る作品であると言っても良いだろう。今作は6章で構成されており、短い曲をほぼ絶え間なく繋げるという手法で構成されている。1曲ではあるが展開は非常にスリリングであり、なおかつドラマティックである。単に高速で突っ走るだけでなく、テンポを落とし歌い方も変えるなどといった、静と動を巧みに1曲の中で使い分けている。つまり彼らの中に存在する相反する二面性を高次元でまとめた作品と言ってもよいのではないだろうか。しかし今作では彼らの持ち味の一つであるfunnyさはほぼ封印されている。アレンジの中でテンポを落としたレゲエ的な部分や、トランペットも含まれているが、どこか静かな、しかし明確な怒りを感じる事が出来る。そういう意味では本来のPunkという姿勢であり、そもそものレベルミュージックとしての態度を明確にしているとも言えるだろう。歌詞も一つの物語の様になっており、彼ら独自の手法でポリティカルな一面をかなり前面に今後押し出していくことになる、契機となった作品である。全1曲。
☆☆☆☆ The Decline
Melodic Punk ------------------------------
45 Or 46 That Weren't Good Enough To Go On Our Other Records (2002)
「他のアルバムに入れるほど良くない45,46曲」という彼ららしいタイトルを付けたレアトラック集。Counting Sheepと題された1st Demoやコンピ収録曲から新曲までを含んだDisc1と、Catching Zzz’sと題された過去にリリースされたSurfer EPとFuck the Kids EPをほぼ全てコンパイルしたDisc2を併せた2枚組で構成されている。新曲から始まるDisc1はMikeの中音域を押し出した特徴的なベースラインとリフとの絡みや緩急や押し引きが非常に彼ららしい楽曲が並んでおり、多少の凹凸はあるもののタイトルで言われているほどの完成度の低さではなく、むしろ彼らの良さが詰まっていると言える。一方のDisc2は元々の7インチがショートチューンを詰め込んだ、完成度よりは勢い重視的な部分も多く、曲数は多くも一気に聞ききれてしまうがこのボリューム感では少し単調になり飽きてしまう部分もある。またどちらのDiscにもアルバム収録曲があるが、総じてアルバムバージョンの方が良いことは否めないだろう。全47曲。
☆☆☆ Pimps And Hookers / We Threw Gasoline On The Fire And Now We Have Stumps For Arms And No Eyebrows / Lower
Electricity / Lazy / Zyclone B Bathouse / Bath Of Least Resistance
We Aint Shit / Eat The Meek / Three On Speed
New Happy Birthday Song? / Whoa On The Whoas / Puke On Cops
Totally Fucked / I'm Telling Tim / Murder The Government
Melodic Punk ------------------------------
7 Of The Month Club 2019 #1 (2019)
2005年以来14年ぶりとなる、マンスリー7インチシリーズの第1弾。全体的に音がこもっており彼らがよくやるDemoのリリースのような印象を受けるが、それが却って今作では副次的な効果を生んでいるように感じる。特にそれは1曲目で顕著であり、そのこもった感じによってメロディがUK Melodicのような少し陰りを帯びたような質感へと変化をし、初期Snuffを彷彿とさせるような哀愁感を漂わせている。また余韻を引きずるかのようなアウトロも彼らにしては珍しい。逆に2曲目は気だるさや排他的雰囲気を持ったミドルテンポの楽曲であり、最後に一瞬加速するかと思った瞬間に終わり、疾走感は皆無であるもののどころを切り取っても彼ららしいのはベテランならではの技であろう。全2曲。
☆☆☆★★ Scarlett O’Heroin / Doors N Fours
Melodic Punk ------------------------------