thewarpedradio

One Dollar Short

Eight Days Away (2002)
2003年にBMJの招聘で来日経験があるオーストラリア出身One Dollar Shortの1st。活動歴は比較的長く、これまでにEPやシングルは5枚出しているがその活動歴に対して意外な程アルバムのリリースは遅れたが、その分00s以降に主流となっていったEmoやPop Punkといったようなカテゴリーでは単純に括れないほどの極上の仕上がりとなっている。湿り気の中にもオーストラリア特有のカラッとした感もあるメロディーが聞いていてすごく心地よい。これは彼らにしか出せない音でありメロディが良いものが聞きたいという人にはうってつけのアルバムだろう。哀愁度合いやエモーショナルさが全開であるメロディを歌うScottの声は伸びやかな透明感を力強さと共に持っており、これが疾走感あふれる演奏に非常にマッチしている。また楽曲もこれまでのEPで発表済みのものも多く収録されているなど1stにしてベストにも近い感覚がある名盤である。全13曲。
☆☆☆☆★★ Shots Were Fired (Bloodstains) / Is This The Part?
The Letter / Unsung Hero / Another Day Away / Satellite
Boardgame / Silver Spoons
Fast Pop Punk Yellowcard "One For A Kids"
Keepsake (2003)
前作を携えて来日を果たした後に発売されたシングル。前作までと同様に彼ら独特の深みのあるメロディはそのままであるが、今作ではぐっとスピード感は落とされている分透明感のあるボーカルに深みやこれまで以上の哀愁や湿り気が生まれている。特にタイトル曲でもある1曲目はこれまでの良さを継承しつつも、メロディだけでなく途中でのギターの入り方など全てがよりエモーショナル感が強くなっている。しかし今作ではそのエモーショナルさの意味合いは前半と後半で異なっていると言えるだろう。前半は従来までの透明感のある90sのEmo要素を引き継いでいるのに対し、後半はスクリームがポイントに使われているなど、現在進行系のスクリーモサウンドを取り入れている。曲数としては少ないながらもバンドとしての過去を未来が同居した作品と言えるだろう。全4曲。
☆☆☆★★★ Keepsake / A Measure Of Stride / After The Fire
Melodic Punk ------------------------------
Receiving Transmission (2004)
前作のシングルでバンドとしての新境地を垣間見せていたものの、2004年5月に解散をした彼らのラスト作となる2nd。メタリック要素の強いイントロで幕を開ける今作は、この冒頭から新境地を推し進め、今までとは異なるベクトルへと変化を遂げたかのように感じられる作品である。メロディの質感的にはあまり変わっていないが、伸びやかではあるものの透明感というよりは力強さを全面に押し出し、そのメロディの裏でテクニカル系の単音リフがカウンターのように入り込んでいる。Mixの問題もあるが全体的にはギターが全面に出てきているために、メロディが若干後ろにあってメロディの爽快感が抜けてこないかのような印象を受ける。1曲目こそそれが絶妙ならバランス感で成り立っており、持ち味の新旧が見事に混ざりあっているが、後半に進むにつれてスクリーム要素が少し強くなってしまっているのは残念な点である。全11曲。
☆☆☆★★ Some Assembly Required / Headlights / Note To Self...
Engines Failed / We Are Not Science
Melodic Punk Skipjack "Kill American Radio"