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Demo 2011 (2011)
The Twisted Mindsのボーカルが活動休止後に新たに始めた彼らの1st Demo。1曲目や3曲目などには所々昔の様な勢いに溢れんばかりのアレンジも残っているが、基本的には完全に良質のIndie Rockバンドとなっている。アレンジも空間系のエフェクターを多用している曲もあるが、基本的には本当にシンプルである。だからこそメロディの透明感が引き立っている。メロディが力強くもきれいで聴く側を強く彼らの世界観へと引き込むだけの力をもった作品であり、demoとは思えないほどに完成された作品である。前のめりになっているアレンジも初期衝動だけではなく、静と動を分けるのではなく一緒に共存させているという絶妙なバランスで構成されている。ex-The Twisted Mindsということ抜きにして、このバンドには十分な可能性があり今後も楽しみである。またタイトルは全て世界各国の都市名と年号で構成されており、このあたりの意図はぜひとも聞いてみたい。全5曲。
☆☆☆★★★ Athenes, 1896 / Calgary, 1988 / Cortina d'ampezzo, 1956 / Mexico City, 1968 / Los Angeles, 1984
Emo You Blew It "Grow Up, Dude"
Colors (2012)
精力的にリリースを続ける彼らの1st。前作のDemoとは全く違い、Melodic Hardcoreの要素は皆無であり、瑞々しいまでの爽快感に溢れたメロディ、そしてそれをしっかりと支えるアレンジ。どこをとっても完璧である。前作で見られた激しさは表面的には鳴りを潜めてはいるが、ただ無機質なのではなく「穏やかに激しく」。この言葉がしっくりと来るようなある意味凛としたたたずまいを感じさせてくれる。しかもそれだけではなく、所謂Sad Punkと言われているような儚さの中にも力強さを感じさせてくれるような楽曲もある。また90sのエモサウンドを感じさせてくれる楽曲はすっと心に入ってくるが、それだけに留まらないのは元々の根底にHardcoreの要素がどこかにあるからであろう。そういった意味でも本当の意味でのEmoを体現しているバンドであろう。また曲自体の長さも作品全体を通して強弱、メリハリがあり最初から最後まで流れるようななめらかさを持っている名盤である。全13曲。
☆☆☆☆★★ Barcelona, 1992 / Helsinki, 1952 / Lake Placid, 1932
Melbourne, 1956 / Sydney, 2000 / Lillehammer, 1994
Saint Louis, 1904 / Sarajevo, 1984
Emo Pentimento "Pentimento"
Bon Voyage (2014)
前作はオリンピックの開催都市と年号をタイトルとしていたが、今作ではオリンピックで活躍した人物名をタイトルとして作品全体を作り上げている2nd。このオリンピックというのが彼らの一連の作品を通してのモチーフのようになっておりこの辺りは非常に気になるが、タイトルだけではなく作品の方向性も大きな変化はなく、非常に機密に丁寧に作り上げられた名盤である。メロディは清々しく軽やかに流れつつも根底からあふれ出る熱量は前作以上のものを感じる。一つ一つの楽曲は若干眺めになってはいるが、作品全体で長短が付いており、楽曲の中だけでなく1枚の作品としても緩急の付け方がとてもうまい。それゆえに曲間もほとんどなく次から次へと繋がっており、マクロからミクロまで計算つくされた作品と言える。またemoを基本としながらもFolkやMath Rock的な雰囲気も兼ね備えたサウンドであり、シンプルながらも重厚なサウンドになっている。繊細かつ大胆に、冷静かつ情熱的に。相反する要素が完璧なバランスで構築されている作品であり、前作にも決して劣らない名盤である。全11曲。
☆☆☆☆★★ Reggie Lewis / Eric Tabarly / Florence Griffith-Joyner
Unlike Maier / Jacques Mayol / Charles Lindbergh
Charlotte Cooper / Matthe Webb
Emo Starmarket "Calendar"