thewarpedradio

Straightline

Vanishing Values (2017)
待望の来日を経てリリースされた4th。メタル大国ドイツ出身であることが大きく影響しているかは分からないが、初期とは異なり作品を重ねるごとにより増してきているメタル度合いは今作ではより強調され、ほぼ全曲に渡って終始メタル特有のバスドラを強調したアレンジをベースに、バカテクなリフを織り交ぜている。しかしそういったテクニカルな要素を存分に取り入れているにも関わらず、あまりそういった部分を感じさせ過ぎないのは、展開の豊富さや緩急のつけ方などだけでなく、テンポが速い曲が多く疾走感を前面に出していることとともにメロディによる部分も大きいだろう。メタルのように歌い上げるのではなく、Punk/Hardcoreのように吐き捨てるような、歌い上げているが良い意味でラフに歌っているボーカルが彼らのメロディと調和しているように感じる。展開がめまぐるしく変わる訳ではないが、様々な要素を詰め込んでいる分楽曲や作品自体は少し長めになっているが、全体として軽く仕上がっているので様々な人にも違和感なく聞き込める。また前半はメタル度合いが高めであるが、中盤から後半にかけては少しポップな楽曲も並んでおり、そのコントラストも作品全体としては素晴らしい。全12曲。
☆☆☆☆ Generation Lost / Pleonexia / Not Afraid / Unfinishied Story
Off We Go / Too Old To Die Young / Take Your Time
Melodic Hardcore No Fun At All "Low Rider"
Vanishing Values Outtracks (2017)
そのタイトル通り、カバー曲と共にアルバム用に制作されたが実際には収録されたなかった楽曲を含むbandcamp上で発表されたデジタルシングル。1曲目はVengaboysのカバーであり、イントロこそ打ち込みでポップな原曲の雰囲気をそのまま残しているが、途中から一気に加速していく。しかしその加速したあともあまりテクニカルな要素を出さずに、ポップなメロディとコーラスを前面に出しているところはバンドとしての持ち味を全面に出していると言え、またそのポップさと相反するバスドラを踏みまくるドコドコ感との対比が彼ららしく非常に面白いアレンジになっている。その反面2曲目はアルバムでも見せていたテクニカル系のメタリック要素の強いアレンジが中心となり絶え間なく怒涛のように畳み掛けるメロディが印象的であるが、そのメロディはどちらかと言えばスクリーム、Hardcoreのようなシャウトに近い形でありアルバムに収録されていたら少し浮いてしまっただろう。しかしそういった激しさも作品を重ねるごとに彼らの特徴の一つとして表面化されてきている部分であり、次作ではその辺がうまく混ざりあった作品になるのではないだろうか。全2曲。
☆☆☆★★ Boom Boom Boom Boom / Escape
Melodic Hardcore ------------------------------