thewarpedradio

Sum 41

Half Hour Of Power (2000)
夏休みの41日目に行ったWarped Tourからバンド名を冠した彼らの1st EP。1曲目のIron Maidenばりのメタル丸出しのインストから始まる本作は、若さゆえの勢いそのままにやりたい放題感満載の作品である。00s以降のPop Punk要素の強い楽曲もあれば、イントロ同様のメタル的要素が全開の楽曲、そして彼らにしては珍しく疾走感全開のMelodic Punk、そして彼らの人気を決定づけたキャッチーなメロディがHip Hopを連想させるような縦ノリのリズムに乗った彼ら独特のノリを生み出している楽曲が所々で散見されるなど、本当に自由にやりたいように様々な要素が詰め込まれたある種実験作、おもちゃ箱のような作品である。アルバム全体としてはまだ方向性も定まっておらずに完成度としては濃淡があるが、スピード感もありさらっと聞ける作品である。しかし収録時間を30分ジャストにするために最後に無駄なブランクがあるのはいただけない。全11曲。
☆☆☆★ Machine Gun / What I Believe / Make No Difference
Summer / Another Time Around
Pop Punk All Time Low "Put Up Or Shut Up"
All Killer No Filler (2001)
前作ではセールス的にはあまり当初は芳しくなかったが、バンドとして大きく成長を遂げて彼らの知名度を全世界的に一気に押し上げた1st。前作ではやりたいことを目一杯詰め込んだおもちゃ箱のような作品であったが、今作ではそれが引き継がれた上で厳選かつ洗練され、コンパクトにまとまっている。一方でキャッチーなメロディを全面に押し出した比較的ストレートな楽曲があったり、7曲目のように少しデジタル要素を入れ込んでいる楽曲があるなど、メロディックパンクの枠組みの中で自由奔放に作られているのが今作であり、所々にメタル要素を取り入れていること以上に彼ら最大の特徴でもある速さの中に縦ノリのリズムが入り込んでいる点など非常に柔軟な作品である。また13曲目は80sのヘビーメタルのパロディ的楽曲であり遊び心も忘れていない、まさに新しい時代を切り開いた作品である。全13曲。
☆☆☆☆★★ Nothing On My Back / Fat Lip / Rhythms / Motivation
Summer / All She's Got / Heart Attack
Pop Punk Punchline "Action"
Does This Look Infected? (2002)
これまでのような若さに由来したかのような能天気さを感じさせる軽快な雰囲気はなくなり、シリアス路線へと移行した2nd。この変化はギターのDaveとの関係性にも由来する部分ではあるが、上手くHip Hopなどの縦ノリのリズムを駆使していた彼ら独特のリズム感に寄る楽曲が少なくなり、本作ではメタル度合いが非常に高まっている。このような大きな変化にはリスクが伴うものではあるが、本作はこれまでのキャッチーなメロディはそのまま残しつつもメタリカへのオマージュを感じさせるリフを挟み込んでいる8曲目などがある一方で、初期の名曲の一つであるSummerを彷彿とさせる7曲目などがあったりと従来までの路線を継承している部分もある。しかし他にも9曲目のように縦ノリ要素の強い楽曲があるもののメタル的要素を強く感じさせる要因の一つとして音の位置が作品全体で下がっている点が挙げられるだろう。重心が低くなったことによりメロディの質感にも影響を与え、バンドとしても大きな変化を遂げているもののどの曲も完成度が高く非常に上手くまとまっている名盤である。全12曲。
☆☆☆☆★ The Hell Song / Over My Head (Better Off Dead)
Still Waiting / All Messed Up / Mr. Amsterdam
Thanks For Nothing / Billy Spleen
Pop Punk Fankaz "Burning Leaves Of Empty Fawns"