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30 Miles

The Smiles Of Rage & Paranoia (2013)
2010年初頭に結成されたイタリア出身の若手3ピースバンド、30 MilesのEPに次ぐ待望の1st。どこか病んでいて少し頭のネジが飛んでいるようなおどろおどろしいジャケットや楽曲のタイトルにLSDやパラノイアを使っていることからも推測できるようにバンドとしての初期衝動に溢れながらも、シンプルに直線的な楽曲が揃っているわけではなく変則的なある種狂気とも捉えられるようなサイケデリックなサウンドに仕上がっている。そういった面は同じイタリアのActionmenにも通じるものがあるが、彼らの場合は音楽的に難解で複雑であり、それが特有の音の渦を生み出して狂気として感じる一方で、30 Milesの場合は音楽的素養に基づくのではなく感覚から生まれた斬新なリズムや音の作り方や入れ方が非常に独特であり、そこが若手ながらも一筋縄ではいかない独特なサウンドに繋がっていると言える。目まぐるしく展開が変わる訳ではないものの、その癖のあるサウンドは聞けば聞くほどに中毒性が増してくる作品である。全11曲。
☆☆☆★★ The Smiles Of Rage & Paranoia / Jezebel & The Clown
Monique / Last Day Before Me & You In Amsterdam / LSD
Melodic Hardcore Actionmen "Upa A Baba"
Short Tales For Braves (2018)
理由は定かではないが、日本語がアートワークに盛り込まれている5年ぶりとなる2nd。プログレ感満載の1分半を超える長尺なイントロから始まり、5分を超える1曲目から始まる本作は根底となる部分は変化していないながらも、バンドとしての軸を保ちながら幅広い楽曲・アプローチをしてきている作品に仕上がっている。前作までの延長線上でプログレッシブ要素は残っているものの、それと比較的ストレートなMelodic Hardcoreが融合することによって起伏のある展開や静と動の切り替わりがより一層明確になっている。その代表格と言えるのが2曲目であろうが、本作ではそれに留まらずにリスナー側を困惑させるほどに振れ幅が大きい。6曲目や7曲目ではは彼らお得意の完全なプログレッシブなMelodic Hardcore全開でありながらも、4曲目はTwinkle要素の高いEmoを全面に押し出しており、派手さはないながらも聞けば聞くほどに味が出てくるスルメ的名盤である。全7曲。
☆☆☆☆★ The Forest / Candle Thief / Their Brains Upside Down
Painter On Panic / The Beasts
Melodic Hardcore The Idoru "Monologue"