thewarpedradio

Vodkajuniors

Warriors Anthem (2018)
ギリシャのベテランバンド、Vodkajuniorsによる6th。これまで3枚組のアルバムなど破天荒な制作を行ってきていた彼らではあるが、今作では通常の形式で彼らの魅力を1枚に凝縮したような作品になっている。1曲目のように高速メロディックがありつつも、その中でも前のめりだけでなく縦ノリのリズムを組み合わせて速さに緩急をつけているものもあれば、2曲目のように打ち込みを取り入れて縦ノリ主体のミドルテンポの楽曲があったり、6曲目では少しTrall Punkにも通じるような牧歌的な雰囲気も感じさせるなど、土台はしっかりとしていながらも相変わらず幅広い楽曲が揃っている。そしてメロディを引き立てるためにはどんな要素でも取り入れ、絶妙なバランスで成立させているところなどはベテランにも関わらず非常に現代的な感覚を持ったバンドである。ただし4曲目や8曲目など打ち込みを入れてゆったりとした静けさの中にも激しさを取り入れた楽曲もあるが、作品として緩急や濃淡が明確になっているとはいえもう少し速さが欲しかったのも事実である。全体として所々に速さはあるものの、今までよりもスケール感が増してダイナミックさが出た反面、少しロック要素が強くなってしまったところは残念である。全11曲。
☆☆☆ Fighting GIants / No Rest / Lost Souls
Renegades of Punk / Raging Youth
Melodic Punk Face To Face "How To Ruin Everything"