thewarpedradio

Baseball Annie

Impact! (1996)
No Fun At AllMillencolinの元メンバーによって結成された彼らのEPに続く、地理的にも近いドイツのGigantorと出したスプリット。メンバーのキャリアから考えれば完成度は保証されたようなものではあるが、北欧特有の若干のっぺりとしたメロディでありつつもPopさ満載であり、それに疾走感あふれるサウンドが印象的な楽曲を収録している。勢いと疾走感を全面に押し出しつつも、コーラスをたっぷりと入れ込んだメロディとアレンジは90sの香りを色濃く継承しつつも、この時代のSwedenのバンドに多い、裏打ちや裏拍を効果的に取り入れたサウンドは時代を感じさせつつも3曲目のようにHard Rockの香りを混ぜ込んだり、5曲目のようにホーンを入れ込んだりなどルーツを重視した革新的な楽曲が並んでいる。しかしそれが散漫な印象を与えないのはやはり派手さはないながらもキャッチーで耳障りの良いメロディセンスによるものであろう。
☆☆☆★★★ I Like Pornography / Mrs. Taylor's Class / I'm On My Hemingway
All For Fun & One For Hearts
Melodic Punk Gigantor "Impact!"
Married (1996)
EPやGigantorとのスプリットに続く、彼らの最初で最後のフルレングス。これまでの作品の延長線上にあり、基本的には軽快な疾走感の中で北欧特有の若干陰りのあるメロディが躍動する楽曲が並んでいる。しかし本作では少しメロディがポップ気味になっているところが変わったところであろう。この変化に対しては多少の賛否はあるかもしれないが、1曲目や4曲目では非常にシンプルなアレンジでクセのあるメロディを押し出していたり、アレンジも一筋縄ではいかずに3曲目のようにスカ要素を取り入れていたと思えば、途中でクリスマス要素は感じさせないが広がりのあるダイナミックさが出てきたりなど北欧特有の湿り気を帯びたメロディと併せてベテランならではのキャリアとセンスに裏打ちされた楽曲が並んでいる。そしてこの北欧らしさは十二分に感じさせつつも、どこかアメリカナイズされた絶妙なバランス感はどれだけ年月を経ても決して色褪せることはない輝きを放つ作品である。全12曲。
☆☆☆☆ Poor Boy / X-Mas Song / Understand / About The Weather
I Saw Him Laughing / A Message Al Least / I Woke Up...
Melodic Punk Lapdog "The Perpetual Race"