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BeerBong

Fast And Comfortable (2003)
日本特別盤としてBullionから発売されたBeerBongの日本における1st(本国では2nd)。母国イタリアで1st"Fast and Comfortable"と1st EP"Business Called Fun"として発売されたものを1枚にまとめて出されたものであるが、この二つが同時に収録されていることには全く違和感がない。全編を通してこれ以上ないって程の高速チューンのオンパレード!メロディは速さにこだわっているためか言葉をありったけ詰め込んでいった上でメロディを構築されており、人によってはかなり違和感を感じることがあるかもしれないが、この彼ら独自のスタイルには個人的にかなり影響を受けた。演奏は所々甘いところもあるかもしれないけれど、それを吹き飛ばすだけの勢いとパワーに溢れかえった作品であり日本では知られてなくても世界にはもっともっといいバンドがいるということを改めて教えてくれた作品である。全21曲。
☆☆☆☆★★ Fallen Down Wall / Nothing / Smiley Camera / Eight Days A Week
Stomp / Icons / Sometimes / Easy
Fast Melodic Punk Actionmen "The Game!"

Beer Bong (2004)
前作を出した後バンドの中心人物であったGu&VoのSimoneが脱退してボーカルチェンジを経て発売された2nd。あのまくし立てるようなメロディが彼らの最大の魅力であり、ボーカルが変わったことによりやはりその点がかなり薄れてメロディや歌を重視する形へと変わっている。全体的には前作より多少遅くなったが、全く完全な別バンドへと変わった訳ではない。むしろシンガロングしやすいメロディの曲が増えている。しかしあの言葉を詰め込んだ様なメロディが今作では全くと言っていい程みられなくなっており、個人的にはかなり残念。だが前作で見られた多少の演奏の甘さなどかがかなり改善されており、今作ではギターだけではなくベースも前に出てきている。ドラムは相変わらずバスドラなどの低音重視でアレンジ的にもかなりの進化をしていると言えるだろう。しかも単に速い曲だけでなく、それをベースにしながらも色々なタイプの曲が入っており飽きずに1枚通して聞け、新たな姿をこの1枚から感じることができる。全14曲。
☆☆☆★★★ Never Be Like You / My Shorts / Fields Of Gold / Busy
From Father To Son / In The Middle
Fast Melodic Punk Moravagine "Ho Scritto Ti Amo Sulla Sabbia Del Gatto"

Murder Party (2006)
前作より2年でリリースされた彼らの3rd。前作でボーカルが変わって大きくバンドとして変わった部分があったが、今作ではよりスピーディーな曲が増えたと言えるだろう。前作では正直新しいVoになじむことができなかったが、今作ではかなりこなれてきたと言ってもいいだろう。これまで以上に一直線に突っ走るだけでなく緩急をつけた楽曲も多く並んでいるが、それら全てをきちんと歌いこなしつつ自らのスタイルを示しているためにかなりの出来と言えるだろう。一見するとあっさりし過ぎている気もしたが、繰り返し聴くことで英語圏でもイタリア特有でもない、まさに彼ら独特とも言えるメロディが中毒になってしまう。前作でのメンバーチェンジは正直辛いものではあったが、今作で新しい彼らの姿・音楽を提示できたと言えるだろう。相変わらず無駄にドラムの手数も多く、メンバーの演奏力に関しても文句のつけようのない作品である。全14曲。
☆☆☆★★★ Plug & Play / Gravity / Rainbow Eyes
Just A Seeker / Perfect Day / Open Season
Fast Melodic Punk High Five Drive "From The Ground Up"
Future Behind Us (2018)
長い活動休止というよりも製作に時間がかかったというを12年を経て、5人編成からオリジナルメンバーの4人編成となって舞い戻ってきたイタリアを代表するBeerBongの4th。注目すべき点はオリジナルメンバー、つまりボーカルとしてSimoneが戻ってきたことであろう。それが意味することはあの頃のサウンド、言葉を大量に詰め込みつつもポップさも醸し出しているメロディと、それに負けないテクニカルとは対称の位置に属する力強く最後まで駆け抜けつつもストップ&ゴーを駆使したリフやアレンジ。そういった全てが完全に過去を彷彿とさせ、それだけでも完璧ではあるが、しかしそれだけに留まらないのが今作である。以前は前のめりに最後まで突っ込むような速さが持ち味であったが、今作では今までのキャリアから裏打ちされた速さだけではなくストップ&ゴーによらないリズムでも緩急をつけていることは確実にバンドとしての進化を感じることができるだろう。やはり彼らの作り出す楽曲にはSimoneのボーカルも不可欠であることはこの作品が雄弁に物語っており、今後このメンバーでの活動を心から望みたくなるような作品であり、2nd以降の作品にももちろん良さはあるがこの作品が1stと並ぶ最高傑作と言える作品に仕上がっている。全7曲。
☆☆☆☆★ Feed Forward / Shocking Wave / Future Behind Us
One More Chance / Mental Emptiness
Fast Melodic Punk Ten Foot Pole "Subliminable Messages"