thewarpedradio

Bigwig

Stay Asleep (1999)
高速で飛ばしつつも、どこかもっさりとしたB級感が漂っていた1stから大きく成長を遂げ、洗練された2nd。余計な要素を排除しとにかくシンプルになっているが、それ以上に大きく進化しているのがメロディである。耳に残るフックの効いたメロディが疾走感に溢れたサウンドに特にマッチしている。しかしその中でも楽曲は多彩であり、ポップな曲やHardcoreの要素を全面に出してアグレッシブに攻めている曲、そしてそれぞれの曲に小ネタのようにちょこちょこ一筋縄ではないヒネリを入れてきており、シンプルながらも奥が深く引き出しの多い作品である。また何よりもそれぞれの曲のイントロ凄まじい破壊力を持っており、聞く側に対して楽曲に引き込む力がどの曲に溢れている。前作に比べると増しているが、のちの作品ほどメタリックさはなく、その程良さが今作の最大の魅力であり、3rdに負けないくらいの名盤である。全15曲。
☆☆☆☆★★ Still / Dent / Smile / Flavor Ice / Freegan / Friends / Sellout / 13
Stand Up / Boardumb
Fast Melodic Punk Hit The Switch "Domestic Tranquility & Social Justice"
An Invitation To Tragedy (2001)
中心メンバーであるTom以外のメンバーはなかなか固定されず、今作もメンバーチェンジを経てリリースとなった彼らの3rd。1stから2ndへの変化も大きく、作品を重ねるごとに進化を続けていく彼らではあるが、本作も大胆に変化を遂げ今までの前のめり的な速さは抑えられ、速さはそのまま保ちながらもそこに重さが加わっており、バンドとして大きく成長を遂げたことを雄弁に物語っている。更にはメタリック要素が今作では非常に強くなりMelodic Hardcoreに寄った重さを感じさせる楽曲がある一方で、3曲目のように重さや速さの中にもキャッチーなメロディが残っている楽曲もあるなど今作では新しい要素を入れ込みつつも従来までの持ち味も健在である。そして更には6曲目のようにメタルばりのソロやイントロを混ぜ込んだ楽曲があるなど、そのハードさとキャッチーさのバランス感が勢いが生み出す攻撃性と相まって前作からの正常進化ではあるが新しさもある、前作と並んで彼らを代表する名盤である。全13曲。
☆☆☆☆★ Waste / Sink or Swim / Sore Losers / Moosh / Hope
Counting Down / Alone in New Jersey / Who Am I to Say
Melodic Hardcore Belvedere "Angels Live In My Town"
Reclamation (2006)
相変わらずメンバーが流動的であり、ボーカルのTim以外は全て新しいメンバーという状態で制作、そして古巣であるFearlessに移籍して制作された4th。前作で大きくSkate PunkからHardcore要素を存分に取り入れたサウンドへと変化を遂げたが、今作ではそれを徹底的に突き詰めたMelodic Hardcoreの傑作となっている。畳み掛けるような勢いに溢れ、時折シャウト気味にもなる2曲目など抜群の疾走感の中にもキャッチーさや重さをバランスよく取り込んだ楽曲が並んでいる。しかしHardcoreというよりもMetal要素が非常に強く、5曲目のイントロでの2本のギターの絡み合いや構成の仕方は完全にMelodic PunkではなくMetalと言えるだろう。クリーンギターからツインギターによるリフがテクニカル全開でありつつも、哀愁さ漂うメロディがそこに被さってくる7曲目など、どの曲もMetal的な様式美や陰りは感じられないながらも、重さの中にも軽快感全開の彼ら独特のサウンドが詰まった1枚である。全11曲。
☆☆☆☆ A War Inside / Time Bomb / Too Late / Rat Race
No Thought, No Spine / Schism
Melodic Hardcore Strung Out "Agents of the Underground"