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Catch 22

Keasbey Nights (1998)
DemoにあたるEPを経て発売された、歴史的名盤である1st。後にStreetlight Manifestoを結成するThomasが在籍していた、そしてその他のオリジナルメンバーによって制作された最後の作品であるものの、後にSMでも本作は再録されているが、その再録とは大きく異なる質感を持つ作品である。再録では勢いは残っているもののかなり洗練されている印象を受けるが、本作は1stということもあってより生々しいほどの勢いと疾走感に溢れている。それが時には荒削りへと繋がる危険性も帯びているが、本作ではメロディやホーン、そして全ての楽器が後の作品に繋がるような緻密に構築され、それをいともシンプルに聞かせるスタイルは既にこの段階で完成されている。楽曲本来が持つ質感はこちらの方がシンプルな分、ストレートに響いてくるだろう。2枚の作品で微妙にアレンジも異なる部分もあるので、優劣は付けられないが聴き比べるのも面白いであろう。全14曲。
☆☆☆☆★★ Dear Sergio / Sick And Sad / Keasbey Nights / Day In, Day Out
Walking Away / Giving Up, Giving In / On & On & On
This One Goes Out To / Supernothing
9mm And A Three Piece Suit / As the Footsteps Die Our Forever
1234 1234
Ska Punk Streetlight Manifesto "Keasbey Nights"
Dinosour Sounds (2003)
New Jersey出身のCatch22の3rd。今作では、前作でVoのThomasが抜けた代わりに加入したJeffが再び脱退してしまい、それまでコーラスが主であったホーン隊が曲によってボーカルを交互に取っている形となっているが、それまでの彼らと何一つ変わらない、いや前作以上の作品である。専業のボーカルがいなくなったことにより、3人の声を最大限に生かしたメロディやコーラス。そして何よりも前作よりもアレンジに幅が出てきており、それぞれの曲の中にMelodic Punkの要素を盛り込みつつもSka Punkとして完全に成り立っているところは彼らならではであろう。それだけをとっても彼らの上手さ、センスの良さを感じられる。更にはホーンも3つともあるために、音に厚みがありそれが最大限に生きている作品である。それが最大限に発揮されているのがラストのインストナンバーであるLamont's Lamentであろう。インストにもかかわらずここまでかっこいい曲を仕上げるバンドは他にないであろう。また前作以上にメロディに磨きがかかりクオリティがまたもや上がっているために1枚を通して飽きの来ない作品である。全13曲。
☆☆☆☆★★ Rocky / Beguin The Time / Motown Cinderella / Chain Up
Dreams Of Venus / Dripping Faucet / Good Time / Regression
Chasing The Moon / Lamont's Lament
Ska Punk Mad Caddies "Rock And Plank"

Live (2004)
前作の発売から1年とおかず発売された彼ら初となるLiveAlbum。はっきり言えば、様々なライブ盤の中でも最上位に来る程の出来であろう。彼らがこれまでにライブで培ってきた力を最大限にはっきりしており、ライブ盤だからと言って演奏力が落ちることなくCDと同様に安定した極上のSkaPunkを聞かせてくれている。更にはライブのDVDもセットでついているため、音だけでなく映像としても彼らのライブを堪能出来る。CDで聞くだけでももちろんいいが、彼らの魅力はライブを通してこそ存分に感じられることだろう。NYのFarmingdaleにあるDowntownでの映像であり、ここは箱自体がすごく見やすいために映像もかなりクリアであり、彼らの演奏の上手さ、素晴らしさが体感出来るであろう。全21曲。
☆☆☆☆★ ------------------------------
Ska Punk ------------------------------

Permanent Revolution (2006)
前作から3年の月日をおいてついに発売された4thAlbum。恐らく何らかのコンセプトの上で作られた作品ではあると思うが、彼らの音楽に間違いはないと確信を持てる作品である。これまでとは異なりPunk色が若干後退したために一聴すると駄作と感じてしまうが、むしろ彼ららしさを存分に出し始めた作品であると感じられる。それまでの疾走感は確かになくなったがSkaPunkはそれだけが全てではなく、Skaバンドらしくリズムの多様性がこれまで以上に表現されている。インストっぽい曲やレゲエを感じさせるような曲も収録されており、彼らの音楽性の幅を大きく広げた作品である。しかし根本としての彼らの音楽性には何一つ変化はなく、2人のボーカルの掛け合いもこれまでの彼ら的な曲の中ではこれまでと同様かそれ以上であり、しっとりと歌い上げる曲ではこれまでにはない程の質感が楽曲中に漂っている。全体を通してこれまでのカラッとした雰囲気は今作はあまり感じないかもしれず、最初はなかなか良さを感じづらいかもしれないが、じっくりと聞き込む毎に味の出てくる作品であり、一度聞いたらじっくりと聞き込んで欲しい作品である。全11曲。
☆☆☆☆★ The Spark / The Party Song / The Decemberist's Song
A Minor Point / On The Black Sea / Bad Party / Opportunity
Ska Punk Kemuri "77 Days"