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CREEPER

CREEPER (2014)
Our Time Down HereとHang The Bastardの元メンバーを中心に結成された彼らの1st EP。キャリアのあるメンバーが揃っているだけに、楽曲自体の完成度は文句なしに高い。どの楽曲もシンプルながらもメロディとギターのリフがそれぞれ強く主張しながらもお互いに邪魔することなく。決してテンポ自体は速くないが軽やかな疾走感を感じさせる楽曲は、OTDHの最後の作品から様式美にも似たような叙情的な雰囲気が弱まり、よりメロディアスになった印象を受ける。しかしどことなく力強くも艶めかしい雰囲気を持つボーカルはそのままであり、よりそれがシンプルな楽曲を華やかにしている。曲数は少ないこともあり全体的には若干一本調子になっている部分も否めないが、昔ながらのMelodicPunkを現代風に再解釈し直し、そしてUK Melodicやグラムロックなどの雰囲気をもどことなく感じさせるサウンドは古臭くもどこか新しさに満ちている。今後の音源にも期待が持てるバンドである。全5曲。
☆☆☆★★ We Had a Pact / VCR / Into The Black
Melodic Punk AFI "Shut Your Mouth And Open Your Eyes"
The Callous Heart (2015)
前作から1年足らずの間にRoadrunnerと契約をしてリリースされた2nd EP。彼らがCREEPERというバンドでやりたかったことが明確に楽曲、作品に現れている最初の作品と言ってもいいだろう。前作での一本調子はなくなり、キーボードを導入することにより楽曲の幅が広がっている。ただそれ以上に大きな個性として現れているのは、Misfitsや初期AFIを彷彿とさせるようなゴシックを大々的に取り入れていることである。PVなど楽曲以外の要素は全てゴシックを全面に出してホラー感を存分に出していることもあり、イロモノ感を感じるかもしれないが、メロディは非常にポップであり、アレンジは明るく疾走感を感じさせる。音だけに注目すれば、非常にキャッチーな楽曲が並んでおり、この要素がルーツとの一つとしてあるのだろうが、ポップなメロディと疾走感に組み合わさることによって懐かしさと新しさを同居させている。全5曲。
☆☆☆☆ Black Cloud / Honeymoon Suite / Allergies
Melodic Punk Alkaline Trio "Goddamnit"
The Stranger (2016)
Roadrunnerと契約した後も精力的な活動により着実にファンベースを広げている彼らの3rd EP。ミドルテンポでゴシック要素の強い1曲目から始まる今作は前作から方向性は全く変わっておらず、前作までが気に入れば問題なく今作も受け入れられるだろう。作品の冒頭で雰囲気を作り、聞く側を引き込む手法はOTDH時代から変わっていないが作品を重ねるごとにそれが深化しているように感じる。こういった製作時の上手さがリリースを重ねるごとに彼らの人気を着実なものにしていく一つの要因とも言えるだろう。そして今作では4曲目の様にアコースティックな面も打ち出した曲を収録しているなど、楽曲の幅がより広がっていることもあるが、コーラスやシンガロングの部分は前作よりも圧倒的に増えており、ライブを数を多くこなしてきたことがバンドとしてのまとまりが増しているように感じられ、バンドとしての今後への大きな可能性が秘められている作品である全5曲。
☆☆☆☆ Valentine / Black Mass / Misery / Astral Projection
Melodic Punk Good Charlotte "The Young & The Hopeless"
Eternity, In Your Arms (2017)
結成から比較的短期間にRoadrunnerと契約をし、順調な活動を経てリリースされた待望の1st。基本路線は今までと変わっていないが、今作ではKeyboardをより大々的に使っておりバンドとしての深化を感じることができるだろう。また、元々力強く説得力があったボーカルにコーラスが多用されることによって彼らのポップなメロディがより映えつつ、様々な歌声を使い分けることによって楽曲ごとの表情が多様化している。またそれだけではなくメンバーに女性がいることもあり、それを活かしてメインボーカルを取る曲があったり男女のボーカルの掛け合いがあったりなど非常にバラエティに富んだ楽曲が並んでいる。その反面メジャー感が今作では少し強めに出ており、良くも悪くも耳障りの良い曲が並んでいる。しかしその中でも速さを重視した曲も収録されているなど、ルーツであるHardcoreの要素をしっかりと感じることができ、その上に彼らの特徴の一つであるゴシック感がうまく乗っており初期〜中期AFIのような印象を受け、既にこの作品にて一定の形での完成形を示している作品と言えるだろう。
☆☆☆☆★ Black Rain / Poison Pens / Suzanne / Hiding With Boys
Down Below / Room 309 / Darling / Winona Forever
Melodic Punk AFI "Black Sails in the Sunset"
Christmas EP (2018)
配信限定でリリースされた2曲のカバーと1曲のオリジナル曲で構成されたクリスマスEP。1曲目はアコースティックから始まるどこか憂いを帯びたアレンジが印象的ではあるが、途中で感情の爆発とも言うように一気にバンドサウンドでコーラスとメロディが絡み合うような構成は今までの彼らの延長線上にありつつも新たな一面を見せてくれる。The Poguesの代表曲の一つであり、No Use For A Nameなど数多くのバンドによってカバーされている2曲目のFairytale Of New Yorkはメンバーにキーボードがいるためそれを活かした比較的そのままのアレンジではあるものの、季節感とともに何処かゴシック的な香りを漂わせているところからは彼らの独自性が色濃く出ている。3曲目はElvis Presleyのカバーであり原曲の持つカントリーの雰囲気を残し、不思議な安心感と浮遊感を持った仕上がりになっている。全3曲。
☆☆☆★★ Same Time Next Year / Fairytale Of New York
Melodic Punk ------------------------------