thewarpedradio

Fair Do's

Trying Time (2014)
元Sicktrickのメンバーも在籍する彼らの1st EP。Belvedereの遺伝子を確実に受け継ぐそのサウンドは結成当時から全く変化はなく、今作でもその影響をいかんなく発揮している。徹頭徹尾終始高速に飛ばしつつもテクニカルなリフを中心に組み立てられているそのサウンドは、まさに正統派のMelodic Hardcoreと言えるだろう。しかし単にメタリックなだけではなく4曲目にはプログレ的な複雑な展開を混ぜ込んでいたりなど、自らが影響を受けたサウンドを受け継ぎつつもキチンと消化して新たな世界観を作り上げようとしているのが良く分かる作品である。ギターが前面に出つつも比較的良い意味で低音が主張しすぎず、スカスカであることも個人的には好印象である。しかしその一方でこの手のバンドに多いことではあるが、テクニカルな面に意識が集中してしまい、メロディが若干おざなりになってしまっていることは否めない。メロディ自体は悪くはないため、次作ではギターとのバランスに期待したい。全5曲。
☆☆★★★ One Of Life's Great / Innurendo / Crossed The Line
Melodic Hardcore Darko "Carry On Wayward Son"
Leopards (2018)
前作から若干の間が空いたが待望とも言える彼らの1st。この約4年という歳月の間でバンドとしても大きく成長を遂げたとも言える作品に仕上がっている。高速かつテクニカルな側面はそのままであるが、そこにブレイクをやテンポチェンジを駆使して緩急をうまくはめ込んでいたり、前作では若干ネックになっていたメロディがコーラスと併せて楽曲の半分以上に入り込んでいたり、メロディがない部分でもリフがメロディの代わりをしているような楽曲が多く非常に歌心に溢れた作品とも言えるだろう。また暑苦しくも力強くきれいに歌い上げているメロディを主体にしつつも、シャウト気味のメロディやコーラス、ギャング的ながなるようなメロディも合ったりなど非常に多彩になっている。いろいろな要素を入れ込んでいる分少し全体的には1曲あたりが長めにはなってしまっているが、シームレスに違和感なくまとめられている良作である。全10曲。
☆☆☆★★★ Royal Flush / Distress Call / Hanging / Closing In
In The Mean Time / Carried Away
Melodic Hardcore Fast As We Go Far"Nice Guys Cum Last"