thewarpedradio

Hostage Calm

Demo (2007)
コネチカット州出身の彼らのdemo。デモでいきなり7inchというある意味暴挙ではあるが、内容としてはかなり良い出来である。At All Costのメンバーなどによって結成されたバンドであるため、デモではあるが既にこの時点で彼らの持ち味が存分に出ている。重戦車の如く低音で攻めてくる1曲目のイントロの時点で、どこか他のバンドとは一線を画している。勢いにあふれているが、決して勢い任せではなく、メロディを大切にしている印象を受ける。Rise Againstの初期のように、エネルギーに満ち溢れた音の中にきちんとしたメロディが組み込まれている。音の土台はHardcoreであり、この当時はそれがある意味ストレートに出ているが、彼らの良さはそれではなくメロディが異様なまでにエモーショナルな所にあるように感じる。それは昔の本当の意味でのemoを近代Melodic Hardcoreとして蘇らせたと言っても良いのではないだろうか。DagNastyやLifetimeなどに通じるものがある。もちろん今後の彼らからみればまだ発展途上の作品である事は否めないが、demoとして考えればクオリティは十分である。全4曲。
☆☆☆ One Face / Grayscale / 400,000 / Weighed Down
Melodic Hardcore Dag Nasty "Can I Say"

War On A Feeling (2011)
2ndのラストにも収録されていた楽曲を再録してのシングル。今回のバージョンではベルの音が取り入れていたりなど、どことなくクリスマスを連想させるが、それだけに留まらずにBeach Boys顔負けの多彩なコーラスが疾走感ありつつも甘さの残るメロディは同じ曲ではあるがアルバムの時よりも格段に進化を遂げている。また、後半にかけて徐々に盛り上がっていくアレンジは秀逸である。それに対してB面はミドルテンポで若干実験的な要素が含んでいる楽曲であり、悪くはないがA面に比べては若干インパクトが弱い。しかしA面の曲のためだけに買う価値のある音源である。全2曲。
☆☆☆☆★ War On A Feeling / Donna Lee
Power Pop ------------------------------

Split (2013)
Run For CoverからリリースされたAnti-Flagとのスプリット。スプリット相手が意外ではあるが、収益は各々の地元のチャリティーに寄付ということで元々ポリティカルな姿勢を貫いてる彼ららしいと納得。作品を重ねるごとにどんどん音の角は取れていき、丸くなってきている彼らであるが今作もその傾向は変わらずに極上のPower Popとなっている。しかし単にポップになってきているという訳では決してなく、疾走感や躍動感はそのままである。また良く良く聞き込んでいくとアレンジの中にはきれいにまとまってはいるけれども荒々しさは残っていたりなど、表面的な音は変化していても根底にあるものは変わっていないことが感じられるだろう。メロディも相変わらず青臭さが全開であり、サビ以降に取り入れられているキーボードもそういったエヴァーグリーンさを増す良いアクセントとなっている。全1曲。
☆☆☆☆ Olly Olly Oxen Free
Power Pop ------------------------------