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Kid Dynamite

Kid Dynamite (1998)
ex-LifetimeのDanとDavidがLifetime解散後に新たに結成した彼らの1st。このバンドはDanのソングライティングが勢いがありながらも更に洗練され、より東海岸のHardcoreの要素が強くなったことも魅力の一つであるが、それ以上に光り輝いているのは結成以前にはBoundに在籍していたJasonのボーカルであろう。だみ声で非常に特徴的であり癖は比較的強いものの、そのメロディは非常に力強さと合わせてポップな面も満載であり、Hardcoreの直線的な勢いの中にもキャッチーさを感じられる。ハイテンションながらもキャッチーさを忘れないメロディやシンガロングスタイルを中心としながらも、ただ直線的なだけでなく、アグレッシブながらもミドルテンポで進みながらも最後に一瞬加速する7曲目であったり、合間合間のショートチューンすらも決して勢い任せではなく、キャッチーさとポップさとアグレッシブさ、全てがバランス良くまとまった名盤である。全19曲。
☆☆☆☆ Pause / K05-0564 / Sweet Shop Syndicate / Showoff
Bookworm / Zuko's Back in Town / Never Met the Gooch
Pacifier / Shiner / Fuckuturn
Melodic Hardcore Strike Anywhere "Change Is A Sound"
Shorter, Faster, Louder (2000)
オリジナルアルバムとしては最後となってしまった2nd。タイトルがこの作品の、そしてバンドの姿勢を端的に表しているが、決して速さ一辺倒ではなく少しテンポを落としてJasonのだみ声ながらもどこかキャッチーさを感じさせるボーカルを全面に押し出した楽曲もあれば、タイトル通り本来の意味でのMelodic Hardcoreの良さを凝縮したかのような従来までの勢いやスピード感、熱量に溢れた楽曲も多数あり、それがぎゅっとコンパクトにまとめられている。しかし熱量高い激しさの中にもメロディからはポップさやエモーショナルさが溢れている。Turning PointなどからLifetimeを経由した、本来の意味でのMelodic HardcoreやEmo、Hardcoreをシンプルながらも存分にまとめ上げた傑作であり、その活動期間の短さに反して後世に与えた影響は計り知れないバンド、作品である。全18曲。
☆☆☆☆★
Melodic Hardcore Reach The Sky "Friends, Lies, And The End Of The World"