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Lastkaj 14

På Andra Sidan Horisonten (2004)
今でこそSkumdumのサイドプロジェクトとして認知されているが、リリース当初は全く情報がなく、謎めいていた分ある意味神格化されつつあった彼らの1st EP。初期Skumdumと同様に、母国語で歌っているために歌詞の内容は全く分からないがそれを差し引いても間違いなく傑作である。Trall Punkのバンドの多くは牧歌的な要素を前面に押し出した音が多い中で、彼らはそれを1歩前へ進めてよりざらざらとした質感でPunk感をより強調している点が、彼ら独特の立ち位置として他とは一線を画している。しかし耳に残るメロディは普遍的なものがあり、それはTrall Punkがスウェーデンの伝統音楽を取り入れたものであるが、国や言語を超えて心に突き刺さる様な音である。ある意味従来のTrall Punkの枠を良い意味で壊したバンドとも言えるだろう。その証拠にリリース当初はMelodic Hardcoreの界隈でも話題になっていたバンドである。Trall Punk自体は癖があるが、このバンドは上手くその癖を残しつつも自分たちなりの音楽に消化しているので、万人に進められる作品である。個人的意見であるがSwedenと日本では文化も環境も全てが異なるが、伝統的な音楽は実は似通っているのではないか、国とか文化、言語、伝統に関係なく音楽の根は世界共通ではないか、そんな風に思わせてくれる作品。全5曲。
☆☆☆☆★★ Har du hört det förut? / Cement och betong
På Andra Sidan Horisonten / En ny tid / Alla har planer för dig
Trall Punk TakahashiGumi "Trall-i-la-la"

Skål för ingenting (2014)
ノルウェーのLaarhöneのスプリット。1曲目のイントロの時点で思わずガッツポーズしたくなり、そして何の不安のかけらも感じさせない名盤である。この何かの映画の幕開けにもなるかのような壮大さからも十二分に北欧の雰囲気を感じさせつつも作品への期待感を倍増させ、そして長めのイントロで焦らしつつの爆発感は反則技である。相変わらず歌詞は英語ではなく母国語であるために内容に関しては一切分からないが、Trall Punkとはそもそも北欧の文化・音楽・言語などをPunkのサウンドを掛け合わせたものであり、そういった意味からも完璧でな作品である。ただもちろんそれだけではなく、前作までの作品に比べてHardcoreのような重たさを感じさせるコーラスが入っていたりなど、Skumdumの初期とも違う新たなTrall Punkの可能性を感じさせる作品に仕上がっている。全5曲。
☆☆☆★★ Pest över havet / Kapten Gråskåggs avgångsvederiag
Bomsicka Bom
Trall Punk Flatfoot 56 "Toil"
Stormar (2015)
スプリットは間に挟んでいたもののアルバムとしては約4年振りとなる3rd。作品を重ねるごとにMelodic Punkの要素が少しずつ強くなってきていた一方でスプリットでは原点回帰ではないが民族要素が色濃くなっていたが、今作でもその傾向は続いておりTrall Punkの持つ牧歌的なメロディだったり音の響きやその独特の癖とMelodic Punkが持つ勢いや疾走感が見事なまでに融合されており、その完成度やバランスから純粋なTrall Punkの最高傑作の一つである1stとは異なる新たなサウンドを完全に確立したと言えるのではないだろうか。そして何よりもその民族的響きを持ったメロディの完成度が今作は非常に高い。全体的には融合しつつも中盤は初期のSkumdumのような少しHardcore要素と民族要素が混ざりあっていたり、ラストを飾る12曲目はギターは裏打ちだけで民族楽器とボーカルを中心に構成されているなど、様々なアプローチが見られる。SkumdumはTrall Punkの要素は残しつつも良い意味で大衆化し癖の少ないサウンドになっているが、その反動とも言えるほどにLastkaj 14は原点である民族要素を全面に出して棲み分けがなされているように感じる。全12曲。
☆☆☆★★★ Nycklar & Lås / Se På Oss Nu! / Tjuvtricks & Rackarspel
Våra Dar / Ansikte På Glänt / Leva Som Du Lär
En Vänskap Som Aldrig Fanns
Trall Punk Anti-Lam Front "Tidlig Anti-Lam Front"
Becksvart (2017)
いつもと変わらずの牧歌的なメロディは健在であるものの、Trall Punkというよりは少しStreet Punk寄りの80s Hardcoreの影響を強く押し出したとも言えるような1曲目から始まり、これまでとは何かが違うと感じさせる幕開けとなる4th。しかしこの1曲目は序章に過ぎず、これまでのどの作品とも毛色の異なる新境地を切り開いた作品となっている。メロディはキャッチーでありながらも牧歌的と言うには力強く荒々しさに満ちており、特に序盤にその傾向が強いがバンド初期のような雰囲気を持っている。しかし中盤以降はそういった新しい要素も残しながらも彼ららしい民族的要素が入り混じったメロディが疾走感のあるサウンドに乗っており、前作でもこれまでのバンドの歴史の集大成のようなサウンドであったが、今作はそれをさらに超えた、バンドだけでなく彼ら自身が影響を受けただろうサウンドまで全てを包括したかのような全方位的に様々な要素が力強く強烈に押し出されている。特に5曲目はキャッチーに歌い上げるメロディがいきなり民族的な要素を入れ込んだ変則的なものに変わる瞬間がありつつも前のめりな勢いの中でシームレスに入れ替わっていたり、女性ボーカルをゲストに迎えた6曲目などは男女でメロディの質感を使い分けているようである。全12曲。
☆☆☆★★★ Becksvart / Börja om / Kråkan / Utanför utan hopp
Konsumera mera / Overkligheten 
Trall Punk Radioaktiva räker "Labyrint"