thewarpedradio

Omaha

Touch 'em all, Joe (2014)
ジャケットのダサさ加減だけは如何ともしがたい2nd EP。しかし良い意味で2014年らしさを一切感じさせずに90sから00sにかけてのあの当時のサウンドを現代なりの解釈で打ち出しているのは前作同様である。00s以降のメタリックなギターを前面に出していくアレンジとは一線を画しているところが、時代の流れを考えれば特異でありつつもそれが彼らの最大の特徴となっている。しかし決してB級という訳ではなくMelodic Punkの魅力の一つの哀愁という点においても、メロディは力強さと共に持ち合わせている。また楽曲の根底にはMelodic Punkと共にHardcoreがあるような、オクターブ奏法を駆使しながら勢いと共にパワーコードとミュートを織り交ぜた緩急を自在に操り、サウンドに重さがありながらもそれを過度に感じさせずに軽やかに駆け抜けるアレンジの上の多少の哀愁と青臭さで力強く牽引するメロディは秀逸である。そしてボーカル以外でも半分以上歌い続けているコーラスといい、一つ一つが王道であり、そのツボを押さえたメロディとアレンジは理屈抜きにリスナーをワクワクさせてくれる、そんな名盤である。ジャケットが象徴しているかのように過度にきれいにまとまりきっていない、B級とA級感が混ざり合っている部分がなおさら素晴らしい。全6曲。
☆☆☆☆ Call It A Crime / A League Of Their Own
Horseshoes, Hand Grenades/ What I Owe / Indoor Smoking Pool
Sharpshot My Hart
Fast Melodic Punk Slick Shoes "Rusty"
IV (2019)
前作から約5年とリリース期間としてはかなり空いてしまったがカムバックを果たし、更にはそれが待望となるアルバムを携えてとなった彼らの初となる1st。これまでは現代的解釈を行いながらも90s〜00sの影響を強く受けたサウンドや楽曲であったのに対して、本作では10s以降のMelodic Hardcoreの流れを強く打ち出してテクニカル要素が非常に色濃くなった作品となり、バンドとしても大きな変化を遂げたとも言えるだろう。元々Might As Wellで活躍していたJasonが中心となって結成されたこともあり、これまでの流れを組みつつもより以前の姿を現在のOmahaというバンドの枠に当てはめ直したかのような作品である。テクニカル要素を出しながらも重さが伴うものではなく、どことなく北欧の香りを漂わせたメロディはより洗練されており、ジャケットと合わせてこれまでのようなB級感が完全に抜けてバンドとして大きな変化を十二分に感じることのできる名盤である。全11曲。
☆☆☆☆★ With our Eyes Open / Karma Suits Ya / Falling Down
Again Someday / Idiocracy / Cry Wolf
Fast Melodic Punk Steele Justice "Neolight Blues"