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Pulley

Esteem Driven Engine (1996)
Ten Foot Poleのシンガー、そして更に野茂と同じ時期にドジャースに在籍していた元メジャーリーガーでもあったScottを中心に元Strung Outのメンバーなどで結成されたPulleyの1stAlbum。この作品はEpitaphから発売されたこともあり、このジャンルの先駆者であるBad Religionの様な重くて速いといった、典型的なEpitaphサウンドとなっている。金太郎飴的な感じで若干似たり寄ったりな部分はあるが、一筋縄でいかないアレンジなど随所に彼ららしさを感じさせてくれる。1stでありながらもメンバーがメンバーだけに勢い任せではなくきちんと作り込まれており、2ビートの曲を中心としながらもミドルテンポの楽曲もあるなどバランスの取れた作品である。ただ作品としては大人し目であり、曲作りにScottも参加ししているにも関わらずTen Foot Poleのようなメロディの良さがあまり感じられないなど全体的に地味である。これはこれで好きだが、少し物足りない部分があるのも事実。また若干ギターの音が割れ気味のミックスが個人的には気になる。全14曲。
☆☆☆★★★ Crashed In / Crawl / Eyes Open Wide / Wok Inn / Barf / She
Lifer / No Defense / Silver Tongue Devil / All We Have
Melodic Punk Zero Down "With A Lifetime To Pay"
Together Again For The First Time (2001)
再びメンバーチェンジを経て4人体制となって製作された4th。個人的にはメンバーの顔触れの方が大事で人数はどうでも良いが、今作に参加していないJimの影響は良くも悪くもこのバンドにとって大きかったのだと窺い知れる作品である。今作ではここ最近の流れに反してポップサイドに一気に振り切ったような楽曲が並んでおり、今までの所謂Epitaphサウンドからの脱却を図ったかのような出来である。しかし決して疾走感がなくなっている訳ではなく、テンポに頼らないドラムのリズムやギターのソリッド感がこの疾走感を生み出しており、今まで以上に生き生きとしたメロディも相まって、まさに西海岸の空気を存分に味わえる作品である。そしてScottのボーカルも今までで一番伸びやかで力強く、そして従来の憂いを感じさせながらも透明感、円熟みを増している。メンバーが減ったことにより、よりアレンジなど全体的にシンプルになっており、それが結果的にメロディの良さを最大限に引き出していると言ってもいいだろう。全13曲
☆☆☆☆★ In Search / Hooray For Me / History Repeats / Fuel / Touched
Runaway / The Ocean Song / Leather Face / Same Sick Feeling
Melodic Punk Slick Shoes "Wake Up Screaming"
Matters (2004)
Jimがまた復活しているなどメンバーは流動的ながらもコンスタントにリリースを重ねる彼らの5th。前作がある意味ポップサイドに振り切ったのに対して、今作では彼ら王道のメロディックパンクに再び戻った作品である。しかし単なる過去の焼きまわしではなくそれぞれの作品の良い所、つまり3rdまでの90sメロディックパンクと前作で突き詰めたポップで疾走感に溢れたサウンドを踏まえながら今作ではシリアスさを足した、今までの総括的な作品となっている。それはある意味前作でも見られたEpitaphサウンドからの完全な脱却とも言えるが、様々なバンドがアルバムを重ねるに従って色々な音楽性へと変化していく中で、彼らは頑なにもパンクロックに忠実である。前作でのファニーさは若干なりを潜めて、今までで一番シリアスで哀愁を存分に漂わせて情感豊かに歌い上げるメロディ、そしてツボを押さえたコーラス、ドタバタと駆け抜けていくドラムの上をシンプルながらも縦横無尽に渡り歩くギターなどそれぞれの楽器がきちんと主張しているアレンジ。全てが王道でありながらも完璧であり、これこそがメロディックパンクと言えるだろう。正統派のバンドが時を経て少なくなる中で、見事にそれを彼らの濃密なキャリアを踏まえて体現している大名盤である。全12曲。
☆☆☆☆★★ A Bad Reputation / Blindfold / Hubber Breeze
Looking Back / Immune / YSC / Stomach Aches / Suitcase
Melodic Punk Gameface "Three To Get Ready"