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River Jumpers

Words Chords And Irony (2012)
2011年後半に結成されたRiver Jumpersの1st EP。同郷のThe JunkやChiefのメンバーを中心に結成されたバンドであるためバンド初期特有の粗さは全くなく、既にこの時点で自分たちの方向性がきちんと固まっている。派手さはないものの非常に聞きやすいメロディやそれを華美にならない絶妙なバランスでさせるリフ。近代的なアプローチではなく懐かしさを併せ持ったような音であり、それはNone More Blackなど東海岸のバンドを連想させる。しかしその一方で決して一本調子ではなく、3曲目の様な2ビートの速い曲もあり、バックボーンがしっかりしているバンドだからこその幅の広さを垣間見せてくれる作品である。芯はしっかりとしていながらも比較的多様な楽曲が収録されているため、次の作品でどのような姿を提示してくれるのかとても楽しみなバンドである。個人的にはライブの時の様な、熱量をより感じられる作品であって欲しい。全4曲。
☆☆☆☆ Build Again / Words Chords And Irony / Boiling Poit / Heartstrong
Melodic Punk The Swellers "Good For Me"
Chapters (2012)
EPに続く待望の1st。ライブでの勢いそのままに荒々しくもキャッチーなメロディとサウンドが印象的であり、前作での若干の消化不良感を完全に払拭している。前作では多様な楽曲が収録されていたが今作では伸びやかで青臭いメロディを中心に据えて、そこにエモーショナルな哀愁感と疾走感がブレンドされている。ギターも歪み歪んでいる訳ではなく、ゲインを上げ気味でシンプルなリフとリズム隊がメロディを牽引している。しかしその牽引されているメロディ自体も楽器隊を牽引しており、どちらにも青くも力強さがある。そして何よりも力強くも非常にポップであり、コーラスの入れ方は独特な部分もありつつもシンガロングのポイントはしっかりと抑えていてUKらしさとUSらしさをうまい具合に混ぜ込んだ名作である。全10曲。
☆☆☆☆ Chapters / Substance & Integrity / A Change To Modern Culture
Five Doors Down / Look Away / Strength Of Ten
Melodic Punk Iron Chic "The Constant One"
Take Your Chances (2018)
解散の表明とともにリリースされたラスト作に当たる2nd。しかし作品からは悲壮感は一切感じられずに、今まで通り、いや以前の姿を超えてきている楽曲が込められている。テンポ自体は少し抑え気味でも疾走感あふれるサウンドに少し吐き捨てるような部分もあるボーカルが歌い上げる力強くもポップなメロディは健在であるが、今作では楽曲によってはミドルテンポを組み込んだ緩急が今まで以上にくっきりとしており、それがよりポップなメロディを活かしていたり、2ビートの部分をより強調する形になっている。またその特徴の一つであるメロディを歌い上げているボーカルも今作では元々高音気味であるが今作では低音と使い分けたコントラストが印象的であり、緩急、静動、強弱、高低、甘酸など相反する要素がバランスよく取り入れられ、そこにUKらしく若干湿り気のあるサウンドが混ざり込んだ名盤である。ラスト作にして最高傑作を作り上げた本作からは残念という言葉しか出てこない。全10曲。
☆☆☆☆★ These Days / Ready To Sink / Closure  / Wasted / Bitter Times
Get Busy Living / Weathered Bones / Retribution
Melodic Punk Pacer "Mechanical"