thewarpedradio

Sick Of Change

In Our Time Of Need (1999)
数多くのクリスチャンパンクがこれまでに存在してきたが、多くのバンドがポップなメロディを活かすために荘厳さであったりキャッチーさを押し出していた中でテクニカルさと速さへと傾倒した稀有な存在であった彼らの1st。メタリックで非常にテクニカルではあるものの少し青臭く、甘酸っぱさも残るボーカルに洗練されすぎていない野暮ったさも感じる垢抜けないメロディとの対比が彼ら独特のバランス感であり、時折メロディがスクリームになる部分もあり、全体的には軽い音作りの中で様々な要素がアクセントとして機能している。全体的には荒削り感はあるものの、6曲目がテクニカルではないものの緩急を織り交ぜたプログレ的要素も含みつつ長尺なイントロから始まったり、メロディに対して言葉を詰め込んだ8曲目があるなど、後半に行くほどの多様な展開を織り交ぜた変態性が増すアレンジとなっており、バンドとしての可能性に溢れた作品である。全12曲。
☆☆☆★★★ Torn In Two / One Day To The Next / Life Stands Still
Constant Struggle / With God's Love
More Than Words Can Say / My Prayer To You
Fast Melodic Punk The Decline "Flash Gordon Ramsay Street"
These Shattered Lives (2001)
アメリカ出身のクリスチャンバンド、Sick Of Changeの2nd。前作も非常に完成度は高かったが、本作ではそれを上回り前作の粗さがなくなり全てにおいて洗練された作品に仕上がっている。テクニカル系Melodic Hardcoreの先駆けとも言えるような作品であるが、10s以降と大きく異なるのは速さの中にある軽やかさである。非常に洗練されたアレンジは手数の多いドラムをボトムにして速さと勢いの中に分厚くも華やかなリフが散りばめられている。クリスチャンバンド特有の柔らかな言葉の選択や響きはそのままにAdhesiveばりにメロディに対して上下3度のコーラスを駆使してリフに負けないだけの分厚さをメロディでも打ち出し、力強くも甘酸っぱい雰囲気を残したメロディが少し鼻にかかったかのような気だるさを一部感じさせるボーカルによって歌われている楽曲の数々は全てがハイライトと言える。あまりにもBettie Rocket Recordsの流通が悪く、バンド自体も本作品が最後に解散してしまったが、流通やタイミングが少しでも良ければ全世界的に人気を博していただろうと思われる圧倒的なまでの完成度を誇る作品である。全13曲。
☆☆☆☆★★ Thoughts That Defile / All You Are / Can You See Me
Scarlet / Feels Like Eternity / Endless Thoughts Of You
The Reason I Live / Holding Poinson
Fast Melodic Punk Sick Shift "Angry Badgers"