thewarpedradio

Youthinasia

High Class, Low Standards (2003)
自主レーベルからのEPを経て発売された彼らの1st Album。全体を通して彼らがいかに90年代をルーツとしているかを感じられる作品となっている。だがルーツは単なるルーツであり、その中でも彼ら独自の要素がすでに見え隠れしており、この時点で他のバンドとは何かが違うことを感じ取れる。それは単に直球勝負ではなく、彼らはリズムの使い方が上手いことも1つであろう。よって1枚通して飽きずに聞け、楽曲それぞれもかなり完成度は高い。さらには彼らの特徴の一つでもある鼻にかかったような高音のボーカルを生かし切れていない部分もあるが、それを補うだけのエネルギーを持った作品である。後のEPと比較すればもちろん見劣りしてしまうかもしれないが、この作品単体で考えれば、十分及第点を与えられる作品であろう。全11曲。
☆☆☆★★★ Industry / Black Summer / Permanent Maker
Stolen / Wisefriend / Euthanasia
Melodic Punk Pulley "Together Again For The First Time"
E.P. (2004)
発売当時は第2のLagwagonの登場と言われていた、それほどまでの完成度を誇り彼らの代表作とも言える3rd EP。前作で見られた彼ら独特の要素に加えて、前作以上に力強さが楽曲に加わっている。世の中の流行に流されずに前作の延長線上ではあるが自らの音を追求した結果が、この様な素晴らしい作品となって現れたのであろう。ある種Youthinasiaとして一つの境地へと早くも達したと言えるのではないだろうか。ルーツである90年代、つまりシンプルながらも疾走感が漂っておりその中で彼ららしい独特のメロディや構成が生きている。そして何よりも鼻にかかったような高音のボーカルを最大限に生かす様な哀愁漂うメロディやスピーディさ、決して一本調子にならないアレンジがポストLagwagonと言われる要因でもあるだろう。しかしそんな前評判など関係ない程聞いた人を引きつける力、魅力を持っている作品である。全6曲。
☆☆☆☆★★ Jimmy Beaner / The Splution / Same Song / Crossing Over
Remember When / One More Drink To Down The Drugs
Fast Melodic Punk Lagwagon "Hoss"
Permature Eurockulation (2005)
前作によって日本でも知名度が上がってきた環境で発売された2nd。前作と同様にまた新たな変化を示しており、一見取っつきにくい印象を受けるが新しいYIAを示した作品と言えるだろう。彼らの作る曲は元々何処か独特で一筋縄でいかないものが多かったがそれを突き詰めた形の結果が今作であり、明らかに全体を通して以前とは違う雰囲気の楽曲が大半を占める。1曲目から決して疾走感が溢れかえっているようなものではないが聞き込むとやはりYIAである。しかしその中でも彼ららしさは失っておらず、速さ自体は全面的に前に出ている訳ではないが彼らの魅力はこの様な形でもしっかりと生きており、この先どのような成長を更に遂げるのか楽しみである。ただしアルバム全体の雰囲気に合わせたのかは分からないが、前のEPに収録されていた楽曲は音が籠もっており突き抜けてくる感がないため、前作のアレンジ・ミックスの方が魅力が生きていただろう。更に6曲目は1st Albumにも収録されていたが、大幅なアレンジがされておりレゲエっぽくなっている。だが彼らの本質は変わっていないため聞き込めば聞き込む程味が出てくる作品であり、是非とも何度も聞いて欲しい作品。全10曲。
☆☆☆☆ Mr. Blister / Miss Magdalene / Pro Rummy / One More Drink
Prostitution / Free / Watches / Jimmy Beaner / The Deadline
Melodic Punk Ten Foot Pole "Subliminable Message"
Feed The Machine (2011)
前作リリース後ボーカルのTrevorはプロデューサーとして活動しつつも、バンドとしては完全に沈黙し解散状態であった彼らが突如リリースした6年ぶりのEP。しかしこの年月はあまりにも大きく、メロディの質感はそのままであるものの楽曲の質感が大きく変わってしまった。特に3曲目が典型的ではあるがメタリックな要素だけでなくメタルの様式美を取り入れたサウンドへと変化をしており、知名度を飛躍的に上げたEPの頃の持ち味に新たな視点を取り入れた意欲作と言える。ただ聞こえは良いものの、軽快な爽快感が規制になっており、彼らの魅力が減少しているとも言えるだろう。メロディは青臭さの残る疾走感にあふれているにも関わらずアレンジなどにメロディにマッチしない重さが入り込んでしまったことにより、全体的にもっさりとした感が拭い去れない印象を受けてしまう作品である。全7曲。
☆☆☆★★ Feed The Machine / Bright Tomorrow
Abandoned To Believe / There Comes A Time
Melodic Punk Heead Honcho "Appetite For Distraction"