thewarpedradio

H2O

Nothing To Prove (2008)
オリジナルアルバムとしては前作から約7年振りとなりメジャーからBrigde Nineに移籍して発売された5th。前作からの間にTobyはHazen Streetで活動しつつもH2Oとしてもツアーを続けていたため作品としては間が空いても、NYHCをベースとしながらもそこに非常にキャッチーなメロディが混ざりあったいつも通りの彼らのサウンドが詰まった作品である。これはプロデューサーとしてNew Found GloryのChadが参加したことも大きいだろう。地域や細かいジャンルは異なるもののHardcore畑出身でありつつもPop Punkにも当然精通している彼がプロデュースを担当することによりポジティブで力強くも少しファンな香りを漂わせるメロディと、非常に熱量の高いHardcoreサウンドが今まで以上に全方位的にそれぞれが主張しつつもどれかに偏ることなく一つに融合した作品であり、元々NYHCの中では非常に聞きやすいバンドではあったが、今作が一番バランスが取れているのではないだろうか。しかしその一方でまとまりすぎていて、本来のアグレッシブさや熱量が薄くなってしまっているようにも感じられるのは残念なところである。全10曲。
☆☆☆★★ Nothing To Prove / Sunday / Unconditional / Fairweather Friend
What Happened?
Melodic Hardcore Have Heart "Songs to Scream at the Sun"
California (2011)
Don't Forget Your Rootsに先駆けて発売された7inchシングルの第1弾。本作品はタイトル通りCalifornia出身のバンド、Circle Jerks、Rancid、Social Distortionのカバーを収録している。基本的には原曲に忠実ながらも単にそれだけに留まらないのは流石である。原曲の雰囲気はそのままでありながらもH2Oとしての色に完全に染め直している。原曲が良いこともあるがそれをより力強くポップに作り変えている。これは原曲が持つ西海岸のバンド特有のカラッとした雰囲気がなくなり、東海岸特融の良い意味での暑苦しさを感じる部分からも窺い知れるだろう。LPに全曲収録されているとは言え、このコンセプトに基づいてコンパクトにまとめているこの作品も聞く価値は存分にあるだろう。全3曲。
☆☆☆★ Beverly Hills / Journey To The End Of The East Bay / Sick Boys
Melodic Harcore ------------------------------

New York City (2011)
先行リリースの第2弾。本作品にはCro-Mags, Sick Of It ALl, Madballという、まさに彼らの音楽に本当に直接的に影響を与えたであろう地元のレジェンドたちのカバーを収録している。今作では原曲の雰囲気をきちんと継承したまま、彼らなりの解釈で生まれ変わっており、原曲よりもより聞きやすくキャッチーになっている。しかしNYHCが持つ力強さや説得力もきちんと継承し、音に反映されている。そういったメロディアスな部分と自信に溢れているかのような力強いサウンドが彼らの持ち味であり、それが存分に発揮されている1枚である。なお、本作も1曲目はこの作品にのみの収録である。全3曲。
☆☆★★★ Hard Time / Friends Like You / Pride
Melodic Harcore ------------------------------

D.C. (2004)
先行シングルの第3弾。本作品にはDag Nasty, Embrace, Government Issueのカバーが収録されている。今作は元々の原曲が彼らのスタイルに似ているということにより、より彼らのスタイルにしっくりときている。また今までは比較的短く曲をまとめられていたが、今作では長めの曲が多い。しかしアレンジの妙ではあるが、勢いの中にもフックが聞いており3分を超えていてもそうとは感じさせない。またこうして3枚並べて聞き比べてみると同じバンドであり、そしてアレンジも基本的には原曲に忠実な部分が多い中でこうやって作品ごとによって変化を感じられるということは、原曲自体が地域性を象徴しているということであり、その点も興味深い。なお、3曲目は本作品にのみ収録されている。全3曲。
☆☆☆ Safe / Said Gun / Understand
Melodic Harcore ------------------------------