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New Found Glory

From The Screen To Your Stereo (2000)
この当時はまだA New Found Glory名義であった彼らの大ブレイクのきっかけとなったタイトル通り映画の主題歌のカバー集。大多数の人が知っている、もしくは聞いたことがある有名映画、タイタニックやネバーエンディングストーリー、アルマゲドン、そしてSlick ShoesOur Time Down HereSet Your GoalsCNCCなどPunk界では影響を受けたバンドが数多いグーニーズなど、映画も楽曲もおなじみのものを選曲しているにも関わらず、元はバラードであった7曲目をもはや違う曲とも言えるアレンジにしたり、3曲目は原曲が持つ壮大なスケールはそのまま保っていたりなど原曲の良さはそのままにしつつも疾走感溢れるアグレッシブなパンクアレンジに仕上げた今作は、まとまっているものの勢いや良い意味での荒さも残っており、綺麗にまとまりすぎていないところが逆に良い効果になっている。この若さあふれるサウンドの中でも光り輝くJodanのボーカルは原曲の魅力を完全に引き出しており、アレンジでも小技やセンスの光る名盤になっている。全7曲。
☆☆☆☆★★★ That Thing You Do / Never Ending Story Theme Song
I Don't Want To Miss A Thing / The Goonies 'R' Good Enough
(Everything I Do) I Do It For You / My Heart Will Go On
Pop Punk Me First & The Gimme Gimmes "Are A Drag"
From The Screen To Your Stereo Part II (2007)
彼らの知名度を一気に押し上げた傑作のカバーEPから約7年ぶりにリリースとなったカバー作品の第2弾。収録曲はBob DylanやMadonnaなどの超一流アーティストから、映画Pretty Womanやロミオとジュリエットのテーマソングなど相変わらず幅広いが、どれも彼ららしくカリフォルニアの乾いた空気感と疾走感の中にポップなメロディが伸びやかに歌われている作品になっている。前作のようなアグレッシブさはキャリアを重ねた分減退しているが、その代りにここ数作の新しい実験的な要素を包括した勢いはありながらもどこか陰りも感じさせるかのような大人な仕上がりにもなっているように感じる。しかし作品全体としては11曲収録とボリュームが大きく、若干食傷気味にもなってしまう。前作のようにEPうらいのボリュームのほうがコンパクトに纏まっていてよいと思ってしまう作品でもある。全11曲。
☆☆☆★★ Kiss Me / The Promise / Stay (I Missed You)
Don't You (Forget About Me) / Crazy for You
Pop Punk ------------------------------
Swiss Army Bro-Mance (2010)
結果的には中止にはなったがツアー記念として2500枚限定でリリースされたDashboard Confessionalとのスプリット。収録曲はお互いの曲を2曲ずつカバーという貴重な音源を収録している。DBとは対称的に彼らは1stと2ndから1曲ずつ選曲しているが、どちらも原曲の雰囲気をある意味微塵も感じさせずに、完全に自分たちの土俵に楽曲を持ってきてポップながらもファストなアレンジで完全に自分たちを貫いた作品になっている。先入観なしに聴けば新曲と言っても分からないくらい潔く自分たちの強みを打ち出している姿はらしくもありつつ、安心感をも感じさせてくれる。どちらの楽曲もメロディがしっかりしている分どんなアレンジでも新たな魅力を感じさせてくれる、そんな原曲との違いを感じつつも様々な可能性をも示してくれている、どちらのファンにもお勧めできる1枚。全2曲。
☆☆☆★ The Swiss Army Romance / Saints and Sailors
Pop Punk Dashboard Confessional "Swiss Army Bro-Mance"

Mania (2013)
2013年のRSD限定で発売されたRamonesのカバーEP。これまでにもカバー作品はリリースしているが、今作は初めて一つのバンドに絞った作品であり、アレンジには定評のある彼らであるがほとんど原曲とアレンジを変えておらず、彼らのRamonesに対しての愛が詰まっている作品と言ってもいいかもしれない。楽曲が持つ軽やかなポップ感はそのままではあるが、テンポをいじっている訳ではないので、NFGの楽曲に見られるような疾走感はほとんどない。しかし原曲に忠実でありながらもChadのコーラスなど随所に彼ららしさは感じることが出来る。Jordanの伸びやかな歌声が若干埋もれていたりなど物足りなさも感じなくもないが、その分元々の原曲の良さ、普遍性を実感できるとも言えよう。また選曲も渋い所からも突いてきており、そこからも彼らに与えた影響の大きさを感じ取れる作品となっている。全6曲。
☆☆☆★★ I Wanna Be Sedated / Rock N Roll High School
Do You Remember / The KKK Took My Baby Away
Pop Punk The Ramones "Ramones"
Kill It Live (2013)
7thのリリースツアーの中でアナハイムで行われたライブを収録したバンドとして初となるライブアルバム。初日にChadがマイクを原因とする感電で病院に搬送されたことにより、結果的には2日間分のライブからセレクトされているがMCも入っており、臨場感は抜群である。1曲目のIntroから2曲目のUnderstatementへの流れはライブの沸点を上げるのには十分すぎるほどに熱く、ライブ故に少し荒々しさはあるもののChadも前日の影響を一切感じさせず、彼らの魅力が最大限に詰まっていると言えるだろう。そして選曲も名盤である3rdからの楽曲を中心にまんべんなく収められており、彼らのこの時点でのベスト的選曲である。最後にこの作品のみでしか聞けない新曲が3曲を収められており、リアルな彼らの姿と合わせて現在進行系も感じられる作品である。全20曲。
☆☆☆★★★ I Want To Believe / Connect the Dots / First Bite
Pop Punk ------------------------------

Resurrection (2014)
結成以来ほぼ不動のメンバーで活動してきた彼らにとって最大の危機とも言えるSteveの脱退を乗り越えて4ピースとして製作された8th。ギターが1本となり音の軽さや薄さが心配されたが、結局は杞憂に終わる結果を今作では示してくれている。ギターが1本だからこそギターが前に出るのではなく、リズム隊も含めた楽器全体でリフを構築しており、今まで以上にバンドとしての一体感を感じることができる。そしてその隙間を埋めるかのように、今まで以上に力強くも優しく透明感のある歌声を届けてくれるJordanのメロディといい、本当に一切何も変わっていない。むしろここ数作はMelodic Punkとはあえて異なるベクトルを打ち出した作品が多かったが、今作では今までの中で一番Hardcoreの要素、つまりはシンプルながらも力強く駆け抜けていくサウンドが前面に出ており、タイトルの通り再生、蘇り、復活を体現している。しかもこの復活はバンド初期のものではなく、彼らがバンドを始める以前のルーツとも言えるような所まで遡っており本当の意味での原点回帰が詰まった作品と言えるだろう。PopPunkの軽やかさやポップなメロディーとHardcoreの力強さや一体感を併せ持つ今作は、新機軸ではありながらもNFG以外の何物でもない作品である。全13曲。
☆☆☆☆★ Selfless / Resurrection / Ready And Willing / One More Round
Persistent / Stories Of A Different Kind / Stubborn / On My Own
Pop Punk Greedy Guts "Songs And Bullets"