thewarpedradio

Mad Caddies

Just One More (2003)
従来までのSka Punkの路線は継続しつつも、少しMelodic路線も強くなった4th。1曲目はレゲエの緩さがSkaの軽やかな雰囲気と合わさったMad Caddiesの真骨頂とも言える楽曲であるが、これまで彼らが持つSkaとMelodicとのバランスが作品を経ていくごとに洗練されてきたことと併せて軽やかに駆け抜けていく爽快感が加わったことによって緩さなどがありながらもメロディをこれまで以上に全面に押し出しているように感じられる作品になっている。2曲目で一気に加速していったと思えば、3曲目ではまた速さの中にも緩やかさがある一方で4曲目ではレゲエにHardcoreをかけ合わせたかのような力強さもある。また6曲目から7曲目の流れも同様であり、レゲエだけでなくJazz的な自由さはあるものの緻密に構成されたアレンジとバランス感が非常に素晴らしい作品である。全体的に勢いに溢れた作品でありながらも、ラストにかけては力強くも緩さ全開の楽曲で終わるところも彼ららしくひねりが効いていると言えるだろう。全15曲。
☆☆☆☆★ Drinking For 11 / Villains / Silence / Day By Day / Leavin
Riot / 10 West / Good Intentions / Game Show
Ska Punk Hot babe lovers “D.I.Y. Stories”
Punk Rocksteady (2018)
前作リリース以降表立った活動がほとんどなくなり、沈黙化してしまった彼らの久々の新作となる本作は、タイトル通り様々なバンドの名曲のカバー作となっている。選曲自体はNOFXのFat Mikeによるものであり、そういった面では様々なバンドの楽曲から選ばれているが、8曲目のMisfitsを除けばMelodic Punkの王道のバンドの楽曲となっている。しかし各バンドの代表曲には必ずしもなっていないところがひねくれたFat Mikeらしいところと言えるだろうが、どの曲も原曲の良さや雰囲気は残しつつも、完全にMad Caddiesの世界観の中に落とし込まれている。冒頭を飾るBad Religionのカバーは原曲の疾走感を適度に残しながらも緩さも併せ持つレゲエに大々的にアレンジをしていたり、2曲目のOperation Ivyのカバーはゲストボーカルを迎えて力強いシンガロングから始まっている。また4曲目Propagandhiのカバーは原曲の重さが一切なくなっていたりなど、どの曲も原曲への最大級のリスペクトを込めたアレンジは、どこを切り取っても完全にMad Caddiesであり、この作品がバンドを掘り下げるきっかけ、入り口にもなるだろう作品である。全12曲。
☆☆☆★★ ------------------------------
Ska Punk Bad Religion "Christmas Songs"