thewarpedradio

Skin Of Tears

Shit Happens (1995)
ジャケットのアホらしさが印象的なドイツ出身の彼らの1st。今は亡きドイツの名門Lost & Foundからリリースされていることからも推測できるように弱冠のっぺりとしたメロディでありながらも勢いと疾走感、そしてカッティングを使った緩急を駆使した引き出しの多さが印象的な名作である。基本路線としては初期Randyや初期Millencolinに通じるようなこれぞSkate Punkと言わんばかりの速いながらもポップなメロディとエッジの効いたソリッドなリフを中心に構築されており、その軽さと速さが緩さとシリアスさのコントラストを明確にしている。特にメロディに派手さはないながらも耳に残るようなフックのあるものが多く、シンプルに勢いだけで駆け抜けているとは語れない作品であり、3曲目のBoys Of Summerのカバーは原曲の持つ夏の雰囲気はほんの少しだけ残しながらも、どちらかと言うと北欧の陰りのある陰鬱さをも感じさせる。しかしその一方で5曲目のようにメタリックなフレーズを中心に据えている楽曲も合ったりと、根底にはGerman Metalの影響も感じられるところもあり、全体的に少し古臭さを感じる部分もなくはないがリリース当時としてはかなり革新的なサウンドであり、センスの非凡さを感じることができるだろう。全15曲。
☆☆☆★★★ Joking Apart / Just Think About It / Don't Say A Word
Suicidal Thoughts / I Guess I'm Alone / Finally Gone / Loser
Still A Loser
Fast Melodic Punk Not Available "Resistance Is Futile"
Up The Cups (1999)
前作より若干の期間が空き、その間に3ピースに戻って発売された2nd。メンバーの脱退はあったもののサウンドに大きな変化はなく、むしろ速さを突き詰める一方で裏打ちを比較的大々的に取り入れており、その緩さとのコントラストが非常に心地よい作品に仕上がっている。しかしSka要素は前作同様残っているが今作ではそれが全面に出てくるというわけではなく、速く疾走感があるサウンドの変化球として裏打ちを取り入れておりその点が前作とは大きく異なる部分であろう。しかしそのバランス感は絶妙であり、少しガナリ気味でPopさの中にも荒々しさを感じさせるメロディは健在であり、3ピースながらも音の薄さを感じさせないアレンジになっている。それはSkaや高速メロディックなど、良い意味でとっちらかったやりたい放題な感はあるもののその配分が素晴らしく、立ち位置的にはB級感は拭えないバンドであるものの前作同様にセンスに溢れた作品である。全15曲。
☆☆☆★★★ Feels Like Dying / Sunnyside Of Life /No Penny For Your Thoughts
Russian Roulette / Time's Up / Isn't It Nice / 10% More Care
Fast Melodic Punk Randy "There's No Way We're Gonna Fit In"